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ヒット作の「人気投票」で起きた事件  「まさかの1位」「無機物がランクイン」

マンガ・アニメのイベントとしてたびたび行われる「キャラクター人気投票」ですが、なかには予想の斜め上を行く結果となった例もありました。この記事では、そんな人気投票で起きた「事件」をご紹介します。

いろんな意味で愛されるキャラがランクイン?

人気投票結果を見たらこんな顔しそう? 「チェンソーマン クリップメモスタンド 東山コベニ」(ツインクル) (C)藤本タツキ/集英社
人気投票結果を見たらこんな顔しそう? 「チェンソーマン クリップメモスタンド 東山コベニ」(ツインクル) (C)藤本タツキ/集英社

 アニメやマンガで、一種のお祭りとして行われる「キャラクター人気投票」では主人公の順位が意外と低い、メインヒロインがサブヒロインに負けてしまう……といった事態はたびたび起こりますが、さらに異常な結果となった例もあります。開催してしまった以上、発表は取り消せないというのが、人気投票の恐ろしいところです。この記事では、そんな人気投票で起きた「事件」を紹介します。

●『イナズマイレブン』…モブキャラ・五条勝が1位に

 人気投票の歴史のなかでも、もっとも有名な事件と言えるのが、サッカーゲームから始まってアニメもヒットした人気シリーズ『イナズマイレブン』の、アニメ映画化にあわせて行われた人気投票の一件です。

 事の発端は、2ちゃんねる内で「イナズマイレブン人気投票で五条さん1位にして子供と腐女子泣かせようぜ」というタイトルのスレッドが立てられたことでした。帝国学園の五条勝は、悪役っぽい外見の目立たないモブキャラであり、普通に投票が行われていたら間違いなくランク外だったことでしょう。しかしながら、掲示板の住人たちが結束した結果、他キャラに大差をつけて五条が1位に輝くことになったのです。

 この『イナズマイレブン』の件以前にも、「Yahooきっずのポケモン投票でコイル一位にして消防ども泣かそうぜ」というスレッドが立ち上げられ、同様の投票操作が行われました。この時は運営側の操作が入ったのか、コイルは2位にとどまる結果となっています。

 しかし、『イナズマイレブン』では、五条がそのまま1位に。もちろん純粋な気持ちで投票に臨んだ人びとも多々いるため、非難の声も寄せられましたが、大きな注目を集めることとなりました。

 この件について、ゲーム販売元であるレベルファイブの日野社長は「五条さんには困らせてもらいました。担当が僕のところに来て、このランキングどうしますか?五条はずしますか?と聞かれ、放っておきなさい。と答えました。あれから、五条の少し微笑んだ顔が『しめしめ』と言っているようでなりません。」とツイートしています。

 制作側として、振り回されてしまったという想いがあるのは当然だと思いますが…その後の作品『イナズマイレブンGO』では、五条の10年後の姿が公開されるなど、公式も悪ノリに乗っかるような展開になりました。全肯定するわけにはいかないでしょうが、おおむね好意的に受け入れられているようで何よりです。

『チェンソーマン』…「コベニカー」がランクイン

 前述のような投票の「悪ノリ精神」は、一部の人々に脈々と受け継がれています。人気マンガ『チェンソーマン』にて行われた第1回人気投票では、「コベニの愛車」が7位にランクインしました。作中での登場も一瞬だけであり、普通は間違いなく投票しないというか、もはやキャラクターでもありません。しかも、その持ち主であり、主要キャラでもある東山コベニの順位は8位、無機物に負ける結果となってしまいました。

 この結果発表の際、実は、作者の藤本タツキ先生も「コイルや五条に投票する人生を送ってきた」ことをコメントしています。さらに続けて、「コベニちゃんの車がランクインしてしまった時にあの時の投票が自分に返ってきたのだと思いました。切ないけどどこか嬉しい気持ちになりました」とコメント。やられた側としては、やはり複雑な心境になるようです。

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