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『ポケモン 赤・緑』のバグ技3選 5分でレベル100に! 衝撃と背徳感…

25周年を迎える、1996年2月27日に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』。「バグ技」の多さも魅力のひとつです。『赤・緑』で確認できたバグ技を3つ取り上げ、ざっくりと内容を振り返ります。

『ポケモン 赤・緑』初代の多種多様なバグ技

『ポケットモンスター 赤』(任天堂)
『ポケットモンスター 赤』(任天堂)

 2021年は「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)シリーズの誕生からちょうど25周年にあたります。”ポケモン”と呼ばれる不思議な生き物と触れ合い、ゲットしたポケモンを他のポケモンと戦わせる。「ポケモン」シリーズの中核を成す”ポケモン収集”&”ポケモンバトル”は、1996年2月27日に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』(以下、赤・緑)の時点で既に顕在だったように思われます。

 そうした魅力のほか、『赤・緑』と言えば「バグ技」の多さも見逃せないポイントです。幻のポケモン「ミュウ」を出現させる方法に始まり、ポケモンの急速レベルアップや手持ちポケモンのコピーなどなど、有名なものからマイナーなものまで、その種類は判明しているバグ技だけでも実に多種多様。今回は『赤・緑』で確認できたバグ技を3つ取り上げ、ざっくりと内容を振り返ります。

※本稿はバグ技の使用を推奨する意図はございません。バグ技の確認および利用等は自己責任でお願いします。

●一度の戦闘でレベル100に到達

 通常、ポケモンを育成するためにはポケモンバトル(野生・トレーナー)を繰り返し、経験値を貯めて地道に強くなるほかありません。時間と手間を惜しまずつぎ込むからこそ、ポケモンはトレーナーの期待に応えてくれるのです。しかし『赤・緑』には、一度のポケモンバトルで瞬時にレベル100(最大)まで到達できるバグ技が存在しました。

 手順は簡単、なおかつ再現性も高め。具体的には「どうぐ」欄の7番目にカーソルをあわせてセレクトボタンを押し、近くの草むらに入って野生ポケモンと戦闘。あとは所定の手順を踏むだけで、5分と経たないうちにポケモンがレベル100まで急成長します。

 とはいえ、こちらのバグ技を使ったポケモンは内部パラメーターの都合上、通常の手法で育てたポケモンと比べるとやはり弱さが浮き彫りになります。それでもなお、手持ちポケモンが一瞬でレベル100に到達する光景は、ユーザーへ背徳感と共に大きな衝撃を与えました。

●152匹目のポケモン?「けつばん」

『赤・緑』の登場ポケモンは全151匹(ミュウを含む)ですが、とあるバグ技を用いることでポケモン図鑑に「けつばん」という謎のポケモンが登録されます。

 見た目は特定の姿を持たないモザイク状で、常に画面表示のバグをともなう奇怪な存在。ポケモンバトルに使えなくもありませんが、その奇怪な正体を知るものは世界中のどこにもいない……というのは尾ひれのついたうわさ話。実際のところ、けつばんは語源である”欠番”の通り、『赤・緑』のデータ領域を指し示す名称なのです。

 ゆえに図鑑に登録こそされるものの、実態はポケモンではなく単なる不要データ。当初は表立って言及されていませんでしたが、幻のポケモン「ミュウ」を何とかバグ技を使って出現させようと試みるユーザーが増えたことで、相応してけつばんのバグ技も広く認知されるようになりました。

 ちなみに実際のポケモン図鑑152匹目は、『ポケットモンスター 金・銀』に登場する「チコリータ」(草タイプ)。その見た目はけつばんと全く異なり、頭頂部から葉っぱの生えたかわいらしい4足歩行ポケモンです。

●オーキド博士と念願のポケモンバトル

 主人公に最初のパートナーポケモンを託し、その後も何かと旅路を気にかけてくれる「オーキド博士」と言えば、マサラタウンでポケモンの謎解明に励む研究者のひとり。彼は『赤・緑』に加えてテレビアニメ版や後年の作品にもたびたび登場しており、「サトシ」と並んでシリーズを代表するキャラクターとして支持を得ています。

 マサラタウンで研究に勤しむ日々を送っているオーキド博士。ところがどうぐ欄で行うバグ技を利用することにより、本来ならありえない”オーキド博士とのポケモンバトル”が実現しました。

 ポケモンバトル時のオーキド博士は名称が「オーキドせんせい」へと変わり、手持ちポケモンを繰り出して主人公の実力を図ろうと意気込みます。際立っているのはポケモンの強さ。「ケンタロス」(レベル66)や「ウインディ」(レベル68)、さらには「ギャラドス」(レベル70)といった高レベル帯を惜しみなく使用。その実力はポケモン研究の第一人者と呼ぶにふさわしく、四天王およびチャンピオンをかろうじて倒せるレベルならまだしも、遊び半分で挑むと手痛いしっぺ返しをくらってしまいます。

 オーキド博士との対戦イベントはストーリーに組み込む形、もしくはストーリークリア後のオマケとして用意されていた、という説が有力。何らかの理由(データ不足等)でボツとなったため、『赤・緑』で正式実装されることはありませんでしたが、後年の『ポケットモンスター X・Y』にて同等の対戦イベントが日の目を見ることに。こちらではカロス地方のポケモン研究者「プラターヌ博士」と主人公の間でポケモンバトルに親しむ様子が描かれていました。

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 バグ技はユーザーの興味や好奇心を掻き立てる一方、データ破損などのデメリットを伴うセンシティブな一面が大きく目立ちます。

 この側面は今回のお題にも例外なく当てはまりますが、だとしても『赤・緑』が巻き起こした一種のバグ技ブームにおいて、当時のコミュニティ……もといポケモン少年少女から注目を集めたのは事実と言えるのではないでしょうか。

(龍田優貴)

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