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『ピクミン』20周年 高難易度のゲームと重なる、社会人の生き様

初代にして難易度が極まっていた

 ここまでお読みになった方々ならお気付きかもしれませんが、『ピクミン』は何も考えずにゴリ押しで進められる作品では決してありません。確かにピクミンは手指の第一関節ほどのかわいらしい生き物であり、舞台となるフィールドも自然いっぱいで情感豊か。しかしその反面、本作はシリーズを見渡してもトップに相当する高難易度で大勢のプレイヤーを悩ませたのです。

 ピクミンたちは集団になると真価を発揮するものの、1匹あたりはとてもか弱い存在。そのため、ちょっとしたミス(目を離したスキにおぼれる or 燃えているなど)であっという間に個体数が減少してしまうことが日常茶飯事でした。

 とりわけ最も被害が出たのは原生生物との戦闘時。フィールド内には目玉をギョロつかせた「チャッピー」をはじめ、地面から長い首だけを出した「ヘビガラス」、くす玉のようなボディーに細い足が生えた「ダマグモ」など、奇妙でややグロテスクな生物たちが生息しています。彼ら(?)と命をかけた戦いに挑む際、油断しているとピクミンが1匹、また1匹と次から次へ天へと召されていきます。ゲームに慣れてくれば話は別ですが、初見プレイでうまく戦うことができず、大量のピクミンを犠牲にしてしまったプレイヤーは少なくなかったはずです。

 そうした”ピクミンの儚さ”に加え、上で述べた「時間制限」もハードルとなりました。ある時はピクミンの増殖にリソースを割き、またある時はお宝の運搬ルートを下見して邪魔な障害物を壊しておく。その上で原生生物を排除しつつ、探索し終えていないフィールドの調査に向かう……という具合に、プレイヤーは限りある時間を配分して要領よく各工程をこなす必要があったのです。

 それでもなお、本作が数多くのプレイヤーを惹きつけ、唯一無二のゲームシステムでゲーム史に名を残しているのは紛れもない事実。今回の執筆にあたって『ピクミン』のゲーム性や難しさを改めて見直しましたが、個人的には”大人になってから遊ぶと見方が変わる作品”だと感じました。オリマーとピクミンたちの関係性を見て、どことなく社会人の悲哀を重ね合わせてしまうのは筆者だけかもしれませんが、すでにプレイ済みの方は環境を整えてもう一度触ってみることをオススメします。

(龍田優貴)

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