ディズニーヒロインの脇で「いい仕事」してる動物4選。恋も冒険もナイスにアシスト
ディズニー映画にはヒロインを支える動物のキャラクターが数多く登場します。そのなかでも、主人公たちの恋や冒険の行方にひと役買った動物たちを紹介します。
歌うカニ、恋する蛍… ヒロインをアシストする動物たち
ディズニー映画にはヒロインを支える動物のキャラクターが数多く登場します。『アナと雪の女王』シリーズでもクリストフの相棒、トナカイのスヴェンがアナやエルサの冒険をサポートしています。主人公のそばに優しく寄り添う親友のような動物も多いですが、今回は、ナイスアシストでヒロインの恋や冒険をサポートした動物たちを4匹紹介します。
●白馬のマキシマス『塔の上のラプンツェル』(2011年)
言葉は話せずとも、しっぽをフリフリして表情豊かなマキシマスは、コロナ王国の警護隊長を乗せる使命感の強い白馬で、王女のティアラを盗んだ泥棒フリン・ライダーを追跡している途中でラプンツェルと出会いました。
犬のような嗅覚と執念で一行を追い詰めますが、ラプンツェルに「なんていい子なの お利口さんだわ」と褒められて態度が一変。一生懸命働いても誰にも褒められたことのないマキシマスは、一瞬で彼女になついてしまいます。ラプンツェルの「誕生日の夜に飛ぶ『灯り』の正体をこの目で確かめる」という夢を叶えるために、フリンともしぶしぶ協力関係を結び行動をともにします。
使命感が強く、早く走るだけでなく剣を口にくわえて戦うこともできるマキシマスは、時には人間以上に有能かもしれません。敵対していたフリンとも、当初はどつき合ってラプンツェルの友達・カメレオンのパスカルに諫められていましたが魔女ゴーテルの罠で処刑されかけたフリンを助けてラプンツェルの元へ駆けつけるシーンは、男の友情を感じずにはいられません。パスカルと並んでラプンツェルを支える、頼もしい存在です。
●カニのセバスチャン『リトル・マーメイド』(1991年)
セバスチャンは海の王国アトランティカの王、トリトンに仕える宮廷音楽家。演奏会の失敗を機に娘のアリエルのお目付け役を命じられ、彼女と親友の魚・フランダーに振り回されることになります。アリエルが陸の世界や人間の王子・エリックに興味をもつことを、当初はトリトンと同じく反対していました。彼女が魔女・アースラの力で声と引き換えに足を得てしまった時は、「私も意気地なしのカニになった」と嘆きつつも、アリエルの恋を応援することに。音楽でふたりの仲を近づけます。
彼が歌う「アンダー・ザ・シー」「キス・ザ・ガール」はディズニーソングの定番として非常に人気が高く、「アンダー・ザ・シー」はアカデミー歌曲賞を受賞しました。おそらく南欧であろうと思われる『リトル・マーメイド』の舞台において、セバスチャンの歌う曲はカリプソ調でどこか異国情緒が漂います。その理由は、彼の出身がジャマイカだから。英語版ではジャマイカ訛りの英語を話しています。
また、セバスチャンはエリックのお城の料理人に包丁で真っ二つにされかけますが、トリニダード・トバゴの小さい赤蟹がモデルのため、仮に食べたとしても美味しいのかは疑問です。
●ネズミのロクフォール『おしゃれキャット』(1972年)
パリのとあるお屋敷に住んでいるネズミのロクフォールは、家主のボンファミーユ婦人に飼われている、美しい雌ネコのダッチェスと3匹子猫たちと仲良く暮らしていました。ある時、欲深い執事のエドガーは婦人の遺産の相続権が猫たちの次だと知り、猫たちに睡眠薬入りのミルクを飲ませ、パリ郊外に捨ててしまいます。猫たちがいなくなったことに気づいたロクフォールは、シャーロックホームズのような帽子と上着を身につけて街を捜索します。
その後ダッチェスたちは野良猫・オマリーの協力でお屋敷に戻りますが、再びエドガーに捕らえられてしまいます。野良猫が怖いロクフォールですが、ダッチェス親子のために勇気を振り絞ってオマリーや野良猫軍団に助けを求めます。
臆病だけど、友達を助けるために行動できる彼は、実は鍵開けも得意。ダッチェスたちが閉じ込められた箱についたダイヤルロックを解除して助けています。出番が少ないながらも猫たちの友人として奔走し、動物たちみんなで協力してエドガーを箱詰めしアフリカへ送ってしまいます。最後には苦手だった野良猫たちとも仲良くなれたロクフォールでした。
●蛍のレイモンド『プリンセスと魔法のキス(2010年)』
カエルの王子様にキスしたら、自分までカエルになってしまったティアナの冒険を描く『プリンセスと魔法のキス』。魔術師・ファシリエによってカエルに変えられた王子・ナヴィーンとティアナの魔法を解くために、沼地のブードゥー・クィーン、ママ・オーディのもとへ連れていったのが、とぼけた顔をした蛍のレイモンドです。ロマンチストで、夜空に一番輝く星にエヴァンジェリーンと名前を付け、「生物史上最も美しいホタル」だと思い、恋焦がれています。
また、人間に捕らえられたティアナを助けるために、小さい体で突進するなど、非常に友達思いです。ファシリエの魔術でナヴィーンが結婚してしまったと誤解したティアナは、レイモンドに現実を告げてしまいます。
「エヴァンジェリーンはただの星なのよ、レイ。はるか彼方で燃えている大きなガスの塊なの。いい加減に目を覚まして 傷つく前に…」
ティアナの言葉に目にいっぱいの涙を浮かべても、「恋に破れた悲しみであんなことを…そうに決まってる」と、決して彼女を責めません。むしろ「あの子に真実を見せてやろう!」と閉じ込められた本物のナヴィーンを救出に向かいます。彼の言葉や命がけの行動は、「願うだけでは叶わない」と、現実的な考えばかりにとらわれているティアナを変えていきます。彼とエヴァンジェリーンの恋の結末は、涙なしでは見られません。
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ディズニー映画にはさまざまなタイプの動物キャラクターが主人公たちの活躍に花を添えていましたが、彼らのサポートの仕方も多様ですが、いずれもヒロインへの愛情や信頼の厚さが伝わってきます。
今回紹介した4作品は、配信サービス「Disney+」で視聴可能です。時には彼らのナイスアシストや個性的なキャラクターに注目して作品を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(マグミクス編集部)