マグミクス | manga * anime * game

小学生の間で『ねこねこ日本史』が熱い、好感度はドラえもんに匹敵? 担当編集者が語るその理由

人気のポイントは、かわいらしさと親しみやすさ

ーー子ども人気を実感したエピソードなどはありますか。

「クラスみんなでファンです」と、キャラクターの似顔絵がいっぱい描いてあって、すみっこに小さく「そにしさんのサインをください」とある、小学生からのファンレターがたくさん届くことですね(笑)

 キャラクターとの記念撮影会や関連グッズ販売会には、毎回、たくさん親子連れが来てくださって、びっくりします。コミックの出版後にイベントを開催することは少なくありませんが、大人向けのコミックは、TwitterなどSNSの反応から、だいたいの集客や盛り上がりが事前に予測できるんです。ただ、『ねこねこ日本史』の場合は、10歳前後のお子さんのファンが多いせいか、SNS上にほとんど反応がないのですが(笑)

 小学生のお子さんに「ねこねこの沖田くん(編集注:沖田総司)がきっかけで歴史が好きになった」と言ってもらえたときは、編集者としても、歴史好きとしてもうれしかったです。

5月に東京スカイツリータウンの郵政博物館で行われたファンイベントの様子。一番人気キャラは沖田総司(画像:実業之日本社)
5月に東京スカイツリータウンの郵政博物館で行われたファンイベントの様子。一番人気キャラは沖田総司(画像:実業之日本社)

ーー多くの子ども、そして、その保護者に受け入れられたポイントはどこにあると思いますか。

 歴史の学習漫画は、出版界の中でも安定した売り上げがあるジャンルなんです。小学校入学記念として、図鑑などとともにそろえるご家庭も多いです。でも、そういう学習漫画は、小学校高学年から中学生向けである場合が多く、小学校低学年から中学年の子にはちょっと難しい。絵柄もどちらかというと男の子向けのものが多いです。

 その点、『ねこねこ日本史』は、かわいい猫に扮した歴史上の人物にフォーカスを当てることによって、歴史の知識ゼロで、国や身分制度などの概念がない小さな子どもにも読みやすくなっているのではないでしょうか。また、エサのカリカリを巡って喧嘩になったり、水が苦手で船に乗れなかったりと、猫ならではのオチをつけていることによって、親しみやすいコメディー作品になっていると思います。

 統計を取ったわけではありませんが、ファンレターやイベントなどから感じる現在の読者層は10歳前後が中心、男女比は、7:3くらいで、女の子の方が多い印象です。親御さんからは「歴史に興味を持つきっかけになれば」と支援していただいていると感じます。

猫の習性を生かしたオチがつく。『ねこねこ日本史』より(画像:実業之日本社)
猫の習性を生かしたオチがつく。『ねこねこ日本史』より(画像:実業之日本社)

歴史好きな大人も思わずニヤリ

ーー歴史の学習マンガとして意識されていることはありますか。

 学習マンガとして意識しているのは、残酷な描写や下品な表現は入れないこと。そしてオチはコメディーであっても、そこに至るまでのエピソードはきちんと史実に基づくものにする、ということです。そにし先生が歴史ファンということもあり、史実の描き方は、歴史好きな大人の読者からも好評です。

猿として描かれた秀吉。『ねこねこ日本史』より(画像:実業之日本社)
猿として描かれた秀吉。『ねこねこ日本史』より(画像:実業之日本社)

ーー具体的には?

 歴史ファンからの反響が一番大きかったのは足利尊氏です。南朝と北朝、公家と武家など様々な立場が複雑に対立し合って、収集のつかない戦乱の時代を生きた尊氏を、「敵と味方の区別がつかない」キャラクターに落とし込んで描いたところが面白いと。

 他にも、傲慢な言動で、徐々に周囲から孤立していった豊臣秀吉を「猿」として描き、「猿だから猫と言葉が通じずうまくコミュニケーションが取れない」キャラとしてコメディー化した点なども好評でした。

* * *

 子ども向けの歴史入門書としても、大人が納得して楽しめる歴史コメディーマンガとしても人気を集める『ねこねこ日本史』。2019年には、「読売KODOMO新聞」で連載中のスピンオフ作品の単行本化が予定されています。

(マグミクス編集部)

【4コマ漫画】例えば猫が千利休になりきるとどうなる?

画像ギャラリー

1 2