マグミクス | manga * anime * game

海外の「海賊版マンガ」にメス? 電子書籍2社による新会社の「強み」

海賊版対策の武器は「現地に合った上質なコンテンツ」か

新会社「アルド・エージェンシー・グローバル株式会社」の主な事業内容
新会社「アルド・エージェンシー・グローバル株式会社」の主な事業内容

「AGA」が取り組む課題として明らかにしているのが、インターネット上で著作権を無視して配信される「海賊版マンガ」。すでに出版社をはじめ、マンガに関わるさまざまな団体が海賊版の撲滅に向けて活動を展開しています。

 SNSを中心に支持の熱い『ポプテピピック』などの作品を抱える竹書房では、社長自らTwitterを中心に取り組みを発表。アニメイト、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館の5社が設立したジャパンマンガアライアンス(JMA)は、タイ・バンコクの実店舗の運営を通じて海賊版対策の強化に取り組んでいます。

 パピレスも、運営する電子書籍サイト「Renta!」における声明で「海賊版サイトでの閲覧・講読は、違法行為を助長するだけであり、作者、出版社、書店にその収益は一切還元されません」と強調しています。今回設立が発表されたAGAが海賊版を撲滅する「武器」は、健全なルートで配信される「上質なコンテンツ」そのものであると考えられます。

 電子コミックならではの編集を行い、電子デバイスに最適化した見せ方、海外各地の文化やトレンドに合わせたローカライズを施したコンテンツであれば、ただ「正規」であるだけでなく、クオリティの面でも原作を不正にコピーした海賊版を凌駕でき、より多くの現地ユーザーに受け入れられる可能性が考えられるのです。

 AGAは両社が培ってきたノウハウを生かして、上質なコンテンツづくりや配信ルート開拓、集金までをサポートすることで、国内の出版社やクリエイターが安心して海外に作品を発信できる環境整備を目指すものといえるでしょう。

 松井社長は、会見を「日本のコミックを世界へ!」と締めくくりました。新会社AGAを通して配信されていく日本のマンガがどのように世界のファンを獲得していくのか、注目したいところです。

(マグミクス編集部)

【写真】電子コミック配信の新会社、代表にはパピレス松井康子社長が就任

画像ギャラリー

1 2