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劇場版でカットされた『ガンダム』8話「戦場は荒野」とは うごめく人間模様を見事に描く

ジオン兵とペルシア母子

カイ・シデンが搭乗して、ホワイトベースを襲うジオン軍部隊と戦ったMS「ガンキャノン」を立体化した、「HGUC 190 機動戦士ガンダム RX-77-2 ガンキャノン 1/144スケール」(BANDAI SPIRITS)
カイ・シデンが搭乗して、ホワイトベースを襲うジオン軍部隊と戦ったMS「ガンキャノン」を立体化した、「HGUC 190 機動戦士ガンダム RX-77-2 ガンキャノン 1/144スケール」(BANDAI SPIRITS)

 無事に地上に降りた避難民たちは空の上から見かけた家を目指すことにしましたが、ペルシア母子だけはセント・アンジュを目指して旅立ちます。しかしガンペリーを監視していたルッグン(コードネーム ビッグ・ジョン)のジオン兵は集団を離れたペルシア母子のことが気にかかり、追いかけ始めたのです。

 この動きを怪しみ、ペルシアたちが危ないと感じたアムロはルッグンを撃墜しようとしましたが、物資を投下したことに気付き、ビームライフルを降ろします。その後、発見されたアムロはやむを得ずルッグンを撃墜しますが、コクピットへの直撃は避けるように攻撃を加えたため、パイロットは無事に脱出に成功しています。

 このビッグ・ジョンをめぐる一連の流れは、これまで生き延びるために敵を倒し続けてきたアムロが、「相手も人なのだ」と理解し始めた重要なシーンと言えるでしょう。

 しかし戦いの流れは止まらず、ホワイトベース隊とジオン軍は本格的な戦闘へと突入します。この回ではカイ・シデンが初めてガンキャノンで出撃し、戦闘の恐怖からキャノン砲を連射してしまい瞬く間に弾薬を討ち尽くしてしまいました。

「俺だって! 俺だってぇっ!」と泣き叫びながら戦っていたカイは、初の実戦でザクを2機撃破したアムロが規格外の怪物であることに気付いたのではないでしょうか。

 ガンダムによる奇襲もうまくいき、ジオン軍に混乱をもたらしましたが、物量に圧倒的な差があったため、戦いは長引き夜へと突入しました。アムロの奮戦もあり、ホワイトベース隊はどうにかジオン軍を退けました。

 一方そのころ、戦場の片隅では脱出したビッグ・ジョンのジオン兵がペルシア母子から手当てを受けていたのです。セント・アンジェに向かうと語ったペルシアに、ジオン兵は別れ際、「ここが1年前までセント・アンジェがあった場所です」と、残酷な事実を伝えます。

 セント・アンジェは街の痕跡などほぼ感じられないただの荒野と化していた……。戦争がもたらした現実に、ペルシアはただ泣き崩れるほかは無かったのです。

『機動戦士ガンダム』が作られていた時代であれば、かつて太平洋戦争で繰り広げられた破壊の数々を目の当たりにした方々が大勢いたことでしょう。かつて街があった場所が跡形もなく消し飛ぶというスト―リーは、どこかで本当にあったことだったのもしれません。

(早川清一朗)

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