2023年末で終わった「テレホーダイ」 若い世代は知らない?「つながる」ことの苦労と喜び
「文字ベース」のインターネット文化が開花
初期のインターネットで重要だったのが、電子メールです。当時は遠距離での連絡手段は電話が中心だったため、同時に複数の人間に連絡でき、海外のユーザーとも気軽にやりとりできる電子メールは画期的な存在でした。
テキストの書き込みができる電子掲示板サイトも非常に人気がありました。ただしさまざまな話題に関する議論はしばしば罵り合いに発展することもしばしばで、そのまま「荒らし行為」へと移行することも珍しくはありませんでした。
当初の掲示板は縦方向に長くなってしまう仕様で、古い記事が下に行って探しにくくなるのが当たり前でした。この常識を覆したレッド型掲示板を採用した「あめぞうリンク」の登場は、当時のインターネットにとって非常に画期的な出来事だったと言えるでしょう。テキストを使って絵を描く「アスキーアート」文化は19世紀のタイプライター時代から存在していましたが、この時期に大きな発展を遂げています。
個人で制作したホームページも膨大な数があり、イラストや小説など多くの投稿が行われていました。ホームページ制作ソフトの「ホームページビルダー」や「Dreamweaver」を使い、独自のデザインを制作していた方も多かったのではないでしょうか。「ジオシティーズ」などの無料個人ホームページ開設サービスも広く利用されていましたが、2019年に「ジオシティーズ」がサービスを終了し、個人サイトの多くが失われたことが非常に惜しまれます。
インターネット普及期の思い出を語ればキリがありませんが、テレホーダイには「失敗談」も少なくありませんでした。利用を申し込んでから割引が適用されるまでには時間がかかることを知らずにすぐに使い始める、あるいはネットに夢中になって割引適用が終わる朝8時を過ぎても続けてしまうなどして、高額の電話料金を請求されることもありました。
また、テレホーダイが始まる23時から接続しようとすると回線が混んでつながりにくくなることもありました。そのため、23時になる数分前から接続するという「フライングアタック」もしばしば行われていました。スマホひとつで遠くにいる人と簡単につながることができる現代からは想像もできないでしょうが、当時は「つながれる」こと自体に非常に高い価値と感動があったのです。
そんなテレホーダイも、ISDNやADSLの普及により急速に利用者が減少し、ついに役目を終えました。それでも、かつてテレホーダイがもたらしてくれた喜びが「かけがえのない思い出」になっている方は多いのではないでしょうか。
(早川清一朗)



