2023年末で終わった「テレホーダイ」 若い世代は知らない?「つながる」ことの苦労と喜び
2023年12月31日「テレホーダイ」が終了しました。1995年8月にスタートした通話時間に関わらず料金が月極の一定料金で使える電話サービスで、一般人が利用できる「完全定額の常時接続」が存在しないインターネット黎明期に、多くのユーザーが利用していました。
夜23時。夢の世界への扉を開く「接続音」を鳴らした

2023年12月31日に、NTTが固定電話利用者に提供していた割引サービス「テレホーダイ」が終了しました。「完全定額の常時接続」が存在しなかったインターネット普及期に、多くのユーザーが利用していた「テレホーダイ」は、もちろん若い世代では知らない人が多いでしょうし、実際に利用していた方の多くも、つい最近「サービス終了」が報じられるまではその存在を忘れていたのではないでしょうか。
かつて「テレホーダイ」でインターネットを楽しんでいた方ならば、ダイヤルアップの独特な接続音を覚えているでしょう。電話回線でモデムを介してインターネットへと接続する時にPCから聞こえてきたぎこちない電子音は、あの時代を生きてきた人間たちだけが知っている、「夢の世界」への扉を開く魔法の呪文だったのです。
「ピポパポパ ピ~ピョロロロ… ガーーーッ」
このダイヤルアップ接続音には、それぞれの音に意味があります。「ピポパピパ」という音は電話番号を発している音で、次の「ピーピョロロロ」は、自宅のモデムとプロパイダのモデムがやりとりをしながら最適なプロトコル(通信規約)を探している音になります。
最適なプロトコルが見つかったら、双方のモデムは使用可能な変調方式をリストアップし、互いが認識できるものを選んでから回線に適した接続速度を決定、最後の「ガーー」という部分では、データを送信し合って、他に適した変調方式が存在しないか確認、接続へと至る流れでした。
NTTの「テレホーダイ」自体は、1995年8月22日から2023年12月31日まで提供されていました。深夜の23時から翌朝8時までの時間帯に、あらかじめ指定した電話番号(ふたつまで指定可能)に対し、通話時間に関わらず料金が月極の一定料金で済む……というものです。インターネットの爆発的な普及が進むきっかけとなった「Windows95」の発売日が1995年8月24日だったため、合わせてサービスを開始したと思われます。
こうした「テレホーダイ」などの割引サービスを使わない場合、インターネットを長時間使用すると高額の通話料金が請求されるという時代でした。
ただし、当時のインターネットは、現代ほど便利で快適なものではありませんでした。初期の回線速度は300bps~1200bpsしかなく、技術が向上しても理論値で56Kbps~128Kbps程度がせいぜいでした。現代広く普及している光回線は、戸建てなら下り100~300Mbp程度なので、数百万分の一くらいの早さしかなかったのです。ネットで動画を見るなど「夢物語」でした。
それでも、当時の人びとが新たに踏み入れたネットの世界には、今まで体験したことがない楽しさがあふれかえっていたのです。


