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「もうひとつのスター・ウォーズ」3作品。創造主ルーカスは認めないが面白さは倍増?

うっかり「超大作」に出演、その後の人生は…?

『エルストリー1976- 新たなる希望が生まれた街 -』DVD(ハピネット)
『エルストリー1976- 新たなる希望が生まれた街 -』DVD(ハピネット)

 マーク・ハミル、キャリー・フィッシャーらが出演したSW第1作は、ブライアン・デパルマ監督のホラー映画『キャリー』(1976年)と合同でキャストオーディションが行なわれたことは、ファンの間では知られています。英国で制作されたドキュメンタリー映画『エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街』(2015年)は、まだ誰もSWがSF映画の金字塔になるなど考えてもいなかったSW第1作のオーディション時からの舞台裏を追ったものです。

 この『エルストリー1976』がユニークなのは、マーク・ハミルたちメインキャストではなく、機動歩兵ストームトルーパーやXウィングの操縦士といった顔のよくわからないサブキャラクターたちにスポットライトを当てているところです。軽い気持ちでオーディションを受け、ヘルメットやスーツを渡されて出演したところ、映画が予想以上の大ヒット作となり、サブキャラを演じた彼らの人生も変わっていくことになるのでした。

 有名作品にちょい役でも出演できたことを誇りに感じている陽気なキャストもいれば、重要な役だったのに編集で出番を大きく削られてしまったことを口惜しそうに語るキャストもいます。SWのキャラ同様に、キャストの人生もいろいろです。『エルストリー1976』にもデヴィッド・プラウズは出演しており、SWのファンミーティングに参加することで収入を得ていると語っています。人気SF映画の舞台裏をのぞくことができる興味深い内容です。

宮崎駿ワールド×スカイウォーカー

『風の惑星 スリップストリーム』VHS(松竹富士)
『風の惑星 スリップストリーム』VHS(松竹富士)

 マーク・ハミルが主演した SF映画『風の惑星 スリップストリーム』(1989年)も、ファンなら見逃せない作品でしょう。実はこの劇映画は、2018年に亡くなったゲイリー・カーツが製作した作品です。カーツはSW第1作・第2作のプロデューサーであり、新人監督だったジョージ・ルーカスにとって頼れる存在でした。中でもルーカスが監督から降板した第2作『帝国の逆襲』はカーツがいなくては完成しなかった作品です。

 ところが、『帝国の逆襲』が予算オーバーしたことから、カーツとルーカスは衝突。カーツはルーカスフィルムから独立し、名作SFファンタジーとして名高い『ダーククリスタル』(1982年)などを手がけることになります。

 そんなカーツがマーク・ハミルを起用した『風の惑星』は、荒廃した未来の地球を舞台にしたSF映画で、自然と共生する未来の人類はグライダーを唯一の交通手段としています。宮崎駿監督の劇場アニメ『風の谷のナウシカ』(1984年)の実写版を思わせる世界観となっています。カーツは一時期、日米合作アニメ『NEMO ニモ』(1989年)の企画にも関わっていたので、宮崎アニメは観ていたと思われます。

 SW初期三部作では甘いマスクだったマーク・ハミルですが、『風の惑星』ではワイルドな悪徳警官を楽しげに演じています。本人はSWの後、同じようなヒーロー役が殺到してうんざりしていたので、旧知のカーツが用意した『風の惑星』に飛びついたそうです。

 今回紹介した3本は、SWシリーズが大ヒットし、映画界のメインストリームになったことで派生した映画です。ルーカス公認作品ではありませんが、SWシリーズをより深く楽しむことができる“もうひとつの『スター・ウォーズ』たち”と呼べるのではないでしょうか。

(長野辰次)

【画像】「スター・ウォーズ」を人気作へと押し上げた、歴代のキャラクターたち(12枚)

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