全力パロディに「銀魂並み」の声も アニオリ描写が好評の春アニメ
原作にないアニメオリジナルの描写はファンから嫌がられることもありますが、好評なものもあります。現在放送中の春アニメでもファンから絶賛されたアニオリ描写がありました。
懐かしの流行から他作品のパロディまで

2024年春アニメの放送から早くも1か月が経ちました。2024年冬アニメでは、優れたアニオリ描写で『葬送のフリーレン』が話題になったのも記憶に新しいところ、春アニメでも同じようにアニオリ描写で注目を浴びている作品があります。どのような描写がファンから好評なのか、見ていきましょう。
●『忘却バッテリー』
主人公が記憶喪失という斬新な設定と高校野球のリアルが描かれた『忘却バッテリー』は、「少年ジャンプ+」で連載されている同題マンガが原作の作品です。
中学生怪物バッテリーとして恐れられた「要圭(CV:宮野真守)」と「清峰葉流火(CV:増田俊樹)」は、要が記憶喪失になったことで野球部がない小手指高校へ入学します。そこにはふたりに敗れて野球を辞めた「山田太郎(CV:梶裕貴)」「藤堂葵(CV:阿座上洋平)」「千早瞬平(CV:島﨑信長)」も入学していました。思わぬ再会をした彼らは、発足したばかりの野球部に入って再び野球を始めます。
そのような本作には、シリアスシーンやギャグシーンでアニオリ描写が加えられていました。
例えば、第1話冒頭の怪物バッテリーに次々と敗れて絶望するシーンは、登場するキャラが増えていました。原作ではリトルシニア時代の山田だけが描かれたのに対し、アニメでは藤堂や千早、3話で登場するライバルの「国都(CV:大塚剛央)」が追加されています。キャラを増やすことで、より怪物バッテリーの強さが伝わるアニオリ描写でした。
また、第3話で藤堂と千早を親睦会へ誘うシーンでは、平成に流行した「一期一会」のイラストをアニオリ描写で取り入れています。原作では声をかけただけなのに対し、アニメでは一期一会風の紙芝居で親睦会へ誘っていました。ほかにも、原作ではっきり描かれなかった『ドラゴンボール』のパロディや、インターネットミームの「宇宙猫」がアニメでは明確に描かれています。
これらの描写にファンからは「銀魂以来の全力パロディ」「ぶっ込んできてる」「あれ、違う作品観てたっけ?」などの声があがりました。
なお、5話後半もアニオリ展開となっており、「新たな話が見られてお得感ある」「原作のエピソードかってくらい内容濃かった」と評判で、原作ファンも新鮮な気持ちで楽しめているようです。
『忘却バッテリー』はテレビ東京系列ほかにて、毎週火曜日深夜12時から放送中です。