『ワンピース』過去に意味深な描写が盛りだくさん? ファンが「エルバフ編」を重要視する理由
『ONE PIECE(ワンピース)』最新110巻の表紙を飾ったのは、実に24年ぶりにルフィたちと再会を果たしたドリーとブロギーでした。彼らの故国である巨人族の国「エルバフ」には、何やら大きな謎が隠されている雰囲気が満載です。
過去にいくつもの伏線が?

現在『ONE PIECE(ワンピース)』は、待望の「エルバフ編」に突入しています。巨人族が暮らす国「エルバフ」や巨人族に関してはこれまで数多くの伏線が張られていた印象ですが、果たしてこの先どんな真相が明らかになっていくのでしょうか?
※『ONE PIECE』コミックス未収録の内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
今回のキーパーソンとして注目されているのは、「エルバフ」の王子「ロキ」です。彼の名前もですが、「エルバフ」や巨人族に関連する事柄は「北欧神話」がモチーフになっていると言われています。「ドレスローザ編」で巨人族の「ハイルディン」が繰り出した必殺技「英雄の槍(グングニル)」には、聞きなじみのある人も多いでしょう。
あくまでモチーフにしているのは世界観やネーミングだけだと思われますが、北欧神話を読み解くと『ONE PIECE』の世界にも関連してきそうなヒントが隠されている気がします。
例えば「麦わらの一味」が巨人島「リトルガーデン」から出航する際、「巨兵海賊団」の船長である「ドリー」と「ブロギー」は怪物金魚「島食い」に対峙し、「我らに突き通せぬものは〝血に染まったヘビ〟のみよ」と語っていました。
これは一体なんのことなのか……。当時多くのファンの間で話題になりましたが、今のところ最も有力とされているのは「赤い土の大陸(レッドライン)」説です。「偉大なる航路(グランドライン)」に対して直角に世界を一周する巨大な大陸で、その頑丈さは作中でも何度か触れられていました。
北欧神話においてロキには複数の子供がいるのですが、そのうちのひとりである「ヨルムンガンド」は、地上をぐるりと取り囲むほど巨大な蛇で、洪水を起こして地上すべてを海の中に沈めてしまうとされています。ドリーが語った「血に染まったヘビ」に重なる部分があり、かつ天才科学者「ベガパンク」の明かした「古代兵器」を彷彿とさせる設定ではないでしょうか?
そのため「エルバフ」が世界の秘密や古代兵器に大きく関係している可能性は非常に高そうです。ほかにも北欧神話のロキは神を喰らう力を持った巨大な狼「フェンリル」という子供います。太陽神信仰のある「エルバフ」なので、いずれフェンリルの名を持つ「何か」が登場するのかもしれません。
現在ロキは、父を殺して「悪魔の実」を奪った罪で「エルバフ」の中心にある巨大な樹に磔(はりつけ)にされています。彼は「太陽の神」を自称していたり、「シャンクス」ともつながりがあったりと、謎の多い人物です。
ちなみにロキの名前は「スリラーバーク編」で一度登場しています。「ビッグマム」の娘である「ローラ」に彼が一目惚して求婚し、ローラがそれを断ったエピソードが明かされています。「エルバフ編」に登場したロキはまるで恋多き男とは思えないキャラクターでしたが、ローラと結婚しようとしたのは何か別の意図があったのでしょうか?
何かしら衝撃的な事実が明らかになりそうな「エルバフ編」。今後の展開にも注目していきたいですね。
(ハララ書房)