『ガンダム』決着つくの? 「マチルダさんニュータイプ説」の真偽 その根拠は…?
アムロの憧れの人「マチルダさん」は、実はニュータイプなのではないかという説があり、長年にわたりファンのあいだで議論されてきました。その根拠はどのようなもので、そして結局のところどっちなのでしょうか。
「例の描写」をどう解釈すべき?

アニメ『機動戦士ガンダム』において、地球連邦軍の補給部隊を率いる「マチルダ・アジャン」は、主人公「アムロ・レイ」の憧れの人として知られるキャラクターです。そのマチルダさんには「ニュータイプなのではないか」という説があり、長年、ファンのあいだでも議論されてきました。
結論からいえば、「ニュータイプ」の能力とされる共感性や洞察力などに高い資質があるように見える劇中描写はあるものの、それをもって「ニュータイプである」と断じるのは尚早かもしれない、といったところです。
そもそも「ニュータイプ」とはなんなのか、については、ここでは省きますが、「マチルダさんニュータイプ説」の根拠とされる描写のひとつは、1981年公開の劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』に見られます。アムロが「クラウレ・ハモン」の搭乗する「マゼラ・トップ」に背後を取られた際、ニュータイプ能力の発露をあらわす「額に稲妻が走る」演出とともに、アムロはマチルダさんの「大丈夫」という声を聞くのです。このとき、マチルダさんはすでに戦死していました。
死者の声を聞くという描写は、ニュータイプ能力の発露のひとつとして、「ガンダム」シリーズ作品には見られるものです。ララァが死してなおアムロと言葉を交わしていたことは、誰しも記憶にあることでしょう。そしてララァは、ニュータイプ能力において最強のひとりに挙げられるキャラクターです。「マチルダさんニュータイプ説」は、このララァを引き合いに語られるものといえるでしょう。
もうひとつ挙げるとすれば、TVアニメ『機動戦士ガンダム』第9話「翔べ!ガンダム」における、アムロのそれまでの戦いを評して「あなたはエスパーかもしれない」というセリフがあるかもしれません。このセリフは、言葉どおりに受け取れるニュアンスで発されたものではないものの、まだホワイトベースの仲間たちもさほど認識していなかった、アムロの非凡すぎる才能を先んじて見抜いたニュータイプの直感力、と解釈できそうです。
このほか、敵対する「ジオン」の勢力圏下を、決して戦闘力に優れているとはいえない大型輸送機「ミデア」で突破していることをもって、ニュータイプのなせるわざ、とする見方もあるようです。
とはいえいずれの事例も、それをもってしてマチルダさんがニュータイプであると断ずるには、少々心もとないものといえるのではないでしょうか。
「ミデア」の事例は、彼女の軍人としての優れた資質によるもの、とすることもできそうです。「エスパー」発言も、さほど深い意味はない褒め言葉のひとつ、という受け取り方もできるでしょう。
「死してなお言葉を交わす」事例については、アニメ『機動戦士Zガンダム』において主人公「カミーユ・ビダン」が、これまでニュータイプと語られたことのない死者の声も聞いているため、「アムロがニュータイプだから声を聞けた」という解釈もできるでしょう。
こうして見ていくとむしろニュータイプではない、すなわちオールドタイプであったほうが、マチルダさんのプロフェッショナルな軍人としての顔、そして他者への共感力や思いやりにあふれる人柄をより一層引き立てる、という見方も成立しそうです。
そのような彼女が「大丈夫」の言葉とともに、アムロをニュータイプ覚醒へと導き、そのあるべき姿をも示唆した、と考えるのは、やや感傷にすぎるでしょうか。
(マグミクス編集部)

