『ばけばけ』ヘブンが好きなリヨへ江藤知事が「常識的に反対」して話題に 娘がいる佐野史郎さん「フィクションと現実が重なるような気持ち」
連続テレビ小説『ばけばけ』第9話42話では、佐野史郎さん演じる江藤知事のある場面が話題になりました。
常識的な「反対理由」

2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』第42話では、「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」を島根に招いた県知事「江藤安宗(演:佐野史郎)」の、娘「リヨ(演:北香那)」への対応が話題になりました。
リヨはヘブンに想いを寄せており、それを知った江藤知事は頭ごなしに否定するのではなく、英語教師として任期が1年しかないヘブンを好きになっても仕方がないこと、大抵のお雇い外国人は祖国に帰ること、結婚しても夫が子供だけを連れ帰ることもあること、リヨがヘブンと結婚した場合は日本国籍を失うことなどを伝えて、彼女に諦めるよう説得します。
この江藤知事の姿勢に、SNSでは
「知事、差別的な反対でなく現実的にヘブン先生の任期や外国人との結婚の難しさかつ娘が大事だから反対してるの良かった……ちゃんとしたお父さんだったな」
「ヘブン先生に懸想する娘にダメだと言いつつ『そりゃ幸せになる夫婦もいるんだろうけど』と国際結婚自体を全否定はしてないところがまとも。前にもヘブン先生の奇行(笑)に『もしやヘブン先生個人が変わってるのか?』と外国人差別のみに偏らない考え方持ってたし」
「おリヨさまがヘブンと結婚したいことに対して、県知事の反対理由が「契約が切れたら帰国するからやめろ」であって、異人みたいな毛唐をわが江藤家と結婚させるわけにはいかんなどの差別意識丸出しで反対するのでなくて良かった」
「ヘブン先生との結婚は天秤にかけると大変なことが多そうだから反対するけど、無闇矢鱈に嫁にいけ、女が賢くてどうするとかは言わないんだよな」
「だいぶ頓珍漢なところもあるけど、江藤知事はけっこう先進的なんだよね。娘を英語教育が熱心な東京の女学校に入れたり、松江のために英語教師を招いたり。でも娘がヘブンに惚れたとなると現実的に反対する」
と、彼の常識人な一面を称賛する声もありました。
江藤知事の新たな魅力も分かったタイミングで、『ばけばけ』公式からは彼を演じる佐野史郎さんのインタビューも届いています。
Q1 今回、初の朝ドラ出演になります。決まったときの感想を教えてください。
島根県・松江市出身で、これまでも『だんだん』や『ゲゲゲの女房』など島根を舞台にした朝ドラは何本かありましたが声がかからなかったので、「もう朝ドラには出ないんだろうな」と思っていました(笑)。でも、今回『ばけばけ』のお話をいただき、このためにこれまで出演することがなかったんだと思いましたね。
僕は小泉八雲のひ孫の小泉凡さんの監修のもと、奥様の祥子さんのプロデュースで小泉八雲の朗読を18年続けているのですが、昔から小泉八雲とセツのドラマをいつかやりたいという話をNHK松江局でもしていたので、今回『ばけばけ』の制作発表があった時は、みんなも喜んでいましたし、僕もお声がけいただけてうれしかったです。
Q2 演じられる江藤安宗は、どんな役ですか?
江藤の直接のモデルではありませんが、小泉八雲を教師として招聘(しょうへい)した籠手田安定さんは、滋賀・新潟・島根の知事を務められた立派な方で、武術の達人でもあり、質実剛健のイメージを持っていました。だから、台本で最初に江藤という役を読んだ時は、えらくとぼけた人だなと(笑)。でも、島根をこよなく愛し、西洋近代文明をいち早く取り入れるところは、ちゃんと押さえられていますね。
実は当時の知事は国から遣わされていて、籠手田さんも長崎出身。出雲ことばはほとんど話さなかったと思います。ですが、松江の人間である僕が知事役を務めることもあり、ドラマでは松江出身の島根愛の強い人物像の設定となりました。地元の人に「変な出雲ことばだ」と言われるのは嫌なので、実は相当プレッシャーを感じています。
近代化を促していきたいんだけど、異国の人に思いを寄せる娘のリヨのことは心配という、混迷していた時代の中で近代化推進と伝統を重んじる価値観を同時に持つ人物だとも思います。僕にも娘がいるので心情がわからなくはないし、フィクションと現実が重なるような気持ちになったり……。小泉八雲の朗読を続けていることも含めて、『ばけばけ』というドラマを生きるだけでは収まらない、現実とフィクション、現代と明治の時代を同時に生きているような感覚でいます。

