『スプラトゥーン レイダース』誕生の裏にまさかの没案…? 開発陣が明かす紆余曲折
『スプラトゥーン レイダース』は、シリーズ3作目からの正当な続編ではなく、独立した「スピンオフ」として発売されました。背景には、対戦以外の遊びに新しい入口をつくりたいという開発陣の思いがあったといいます。その開発の紆余曲折。
没案からの大方向転換

2026年7月23日(木)、Nintendo Switch 2 ソフト『スプラトゥーン レイダース』が発売され、SNSなどでは大いに話題になっているようです。
シリーズ3作品を経て、次に来るのは『スプラトゥーン4』かと思いきや、蓋を開けてみれば独立した「スピンオフ」作品として登場しました。21日(火)に任天堂公式WEBサイトにて公開されたインタビュー記事「開発者に訊きました」では、この決断の背景や、本作の核となる新要素「ガジェット」が生まれるまでの試行錯誤などが語られています。
プロデューサーの井上精太氏は、シリーズ立ち上げから11年以上、3タイトルの開発とアップデートを走り抜けてきました。本作については「対戦以外の部分をサブ要素ではなく独立した形で出すことで、本シリーズに触れてもらえる入口をつくりたかった」と説明しています。
きっかけとなったのは、シリーズ本編における協力プレイ「サーモンラン」をひとりで遊べるようにできないか、という検証だったといいます。Switch 2の性能を活かし、シャケを増量してひとりでシバきまくる「究極のワンオペ」を実現できるのでは、という発想から企画がスタートしたそうです。
そのような「ワンオペ」を支える新要素が「ガジェット」で、実はここに至るまでには紆余曲折があったといいます。開発当初は、フィールドに「仕掛け」を配置し、それと協力して戦うタワーディフェンス的な遊びを検証していたとか。しかし突き詰めていくと、仕掛けで要塞を組み上げて見守るだけのプレイになりがちで、ディレクターの伊藤慈彦氏は「なんだかスプラトゥーンらしくないなあ」と感じたそうです。敵と戦いながら塗ったりイカになったり飛び移ったりする、濃密なアクションの長所が活かせなくなってしまうというわけです。
そこで方向転換し、プレイヤー自身のアクションを拡張する発想から生まれたのが「ガジェット」です。装着して突進したり、大きくジャンプしたり、設置してその上に浮遊できたりと、使うガジェットによってアクションが変化します。ブキとふたつのガジェットをかわるがわる使いこなし、次々と迫るシャケに対処していく忙しさは、伊藤氏いわく「気持ちの良い忙しさ」を目指したものなのだそう。頭で考えるより先に体が動く、いわゆる「ゾーンに入る」感覚を狙ったといいます。
方向転換といえば、舞台となる無人島「ウズシオ諸島」も、実は当初はもっと明るい雰囲気だったそうです。爽やかなコンセプトアートも用意されていたものの、試遊した人から口々に「シャケがかわいそう」との声が相次いだことから、「やべぇ所に来ちまった」を合言葉に、ガラリと方向転換したといいます。
3段階から選べる難易度、オンラインで助け合える「ヘルプ」機能など、間口の広い設計で、スピンオフと位置付けつつシリーズ未経験者をもターゲットにしているといえるでしょう。11年間積み重ねてきたシリーズが、新しい入口を用意しながら、次の成長へと踏み出した1作といえそうです。
(マグミクス編集部 ゲーム担当)

