没後10年、『スケバン刑事』和田慎二氏が生んだ「戦うセーラー服美少女」の衝撃
セーラー服の美少女が繰り広げる超能力バトル

和田慎二さんが描いた「戦うヒロイン」では、1975年からスタートした「超少女明日香」シリーズも忘れられません。主人公は砂姫明日香(さきあすか)という少女で、住み込み家政婦として働く、一見地味な女の子ですが、その実体は自然の大いなる力を味方につけた「自然の精霊(とも)」。自然を蹂躙(じゅうりん)する人間や悪霊が現れると、セーラー服の超少女に変身して戦います。
少女マンガのほかに特撮やSF映画、アニメーションを愛した和田慎二さん。「超少女明日香」シリーズには、映像文化にインスパイアされた和田慎二さんの空想力が発揮されています。
1988年に「花とゆめ」に発表された『超少女明日香 救世主(メシア)の血』では、超能力を使う「超少女」のライバルとして「超少年」の救世主(メシア)が登場。敵の黄金ドクロが巨大な仏像を操って街を焼き払うと、明日香と救世主は超能力で対抗しています。
特撮さながらのダイナミックな描写を導入したことで、それまでにない少女マンガとなった「超少女明日香」。もうひとつの見どころが、少女マンガならではのロマンス描写です。「自然の精霊」として戦う使命を背負った明日香は、愛する田添一也の気持ちに応えることができずにいます。すれ違いを繰り返すラブストーリーも読者を夢中にさせました。
和田慎二さんは、「別冊マーガレット」の投稿コーナー「別マまんがスクール」の選者であり、数々の著名漫画家を育てたことで知られる漫画家の鈴木光明氏のもとで学んでいます。少女マンガ特有の抒情性があふれた和田慎二作品のなかでも、ド派手なアクションと繊細な心理描写を見事に融合させた「超少女明日香」は、後進の漫画家やアニメーターに多大な影響を与えました。
和田慎二さんが描いた「セーラー服で戦う美少女」のDNAは、今もさまざまなマンガ・アニメ作品に見ることができます。









