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金ローで『チャーリーとチョコレート工場』放映 夢に出てきそうなウンパルンパのダンス

ティム・バートン監督による『チャーリーとチョコレート工場』は、世界中で大ヒットしたファンタジー映画です。ジョニー・デップが演じるウォンカ社長は、超が付くほどの変人です。ティモシー・シャラメが若き日のウォンカを演じる前日談も、現在制作中だそうです。悪夢的世界が繰り広げられる『チャリチョコ』の魅力を紹介します。

変人社長が企画した、世にも奇妙な工場見学

「チャーリーとチョコレート工場 特別版」DVD(ワーナー・ホーム・ビデオ)
「チャーリーとチョコレート工場 特別版」DVD(ワーナー・ホーム・ビデオ)

 チョコレート工場の扉を開けると、そこは極彩色の悪夢的世界でした。人気絶頂期のジョニー・デップが変わり者のチョコレート会社の社長ウィリー・ウォンカを演じたのが、ティム・バートン監督のファンタジー映画『チャーリーとチョコレート工場』(2005年)です。

 ウォンカ社のチョコレートに付いていた金色のチケットを手に入れた5人の子供とその保護者たちは、普段は立ち入り禁止のチョコレート工場を見学するのですが、そこで待っていたのは奇妙キテレツな世界です。ウォンカ社長の言いつけが守れない子供たちは、次々と悲惨な目に遭うことになります。

 2022年2月18日(金)の「金曜ロードショー」(日本テレビ系)で、7年ぶりに『チャーリーとチョコレート工場』(以下『チャリチョコ』)が放映されます。ちょっと不気味だけど、思わずSNSでつぶやきたくなる『チャリチョコ』の見どころシーンを振り返ります。

性格の悪い子供は、漏れなく恐ろしい目に

 ティム・バートン監督とジョニー・デップは、それまでにも『シザーハンズ』(1990年)や『エド・ウッド』(1994年)などでもタッグを組んでいる盟友同士です。なかでも『チャリチョコ』でジョニー・デップが演じたウィリー・ウォンカは、とびっきりの変人です。

 貧乏な家に生まれたチャーリー少年は、誕生日にウォンカ社のチョコレートを買い、チョコレート工場が見学できる金色のカードを引き当てます。このカードを引き当てたのは、世界中でたった5人の子供たちだけでした。かつてウォンカ社で働いていたことのあるジョーおじいちゃんと一緒に、チャーリーはチョコレート工場を見学します。チャーリーは心優しい性格ですが、他の4人はわがままで、思いやりのない子供たちばかりでした。

 ウォンカ社長に迎えられて入ったチョコレート工場内は、びっくりする世界でした。チョコレートの川が流れ、色とりどりのお菓子でできたキノコや草花が咲き乱れる人工のメルヘンランドだったのです。美しいけれど、どこか変。江戸川乱歩の怪奇小説『パノラマ島奇談』を思わせる、不気味さが漂います。

 食いしん坊の男の子・オーガスタスは、川に流れるチョコレートを直接飲もうとして、うっかり川に落ちてしまいます。物語ががぜん盛り上がるのはここから。どこからともなく、体の小さなウンパ・ルンパたちがわさわさと現れ、オーガスタスの食い意地の汚さをディスりながら歌い踊り始めます。

 ディープ・ロイ扮するウンパ・ルンパたち総勢165名が織り成すミュージカルシーンは、『チャリチョコ』最大のハイライトシーンです。夢心地のファンシーさと底意地の悪さとが、バニラ味とチョコ味がミックスされた甘い甘いソフトクリームのように、リズミカルに渦巻いていきます。

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