【漫画】老夫婦のもとに「介護疲れ」の息子が一時帰宅 ヘルパーの体験に「泣きそうになった」
訪問介護先の老夫婦の家に、1週間、息子が帰ってくることになり、その間はヘルパーの仕事を休むことになった女性。後日、老夫婦の家を再び訪問してみると……。介護福祉士でもある、作者のゆらりゆうらさんにお話を聞きました。
介護はひとりで抱え込まずに、積極的にサービスを利用して

訪問介護先でのエピソードを描いたマンガ「月に七日」が、Instagramで2100以上の「いいね」を集め話題となっています。訪問介護先の老夫婦の家に、1週間、息子が帰ってくることになり、その間はヘルパーの仕事を休むことになった女性。老夫婦と息子の関係を少し不安に思いながらも休みをもらい、1週間後に老夫婦の家を再び訪問してみると……という内容で、「泣きそうになりました」「ヘルパーさんたちに感謝!」「いつもありがとうございます」などの声が上がっています。
このマンガを描いたのは、介護福祉士で似顔絵クリエーターのゆらりゆうら(ペンネーム)さんです。Instagramやブログでエッセイマンガを発表しています。
ーーマンガを描き始めたのは、いつごろからでしょうか?
2015年から描き始めました。
ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。
家族の誰かひとりが抱え込むことの多い介護の現状を、なんとか変えていかなければ、という思いからです。介護サービスを受けることへの抵抗感をなくすきっかけになれば、と考えました。
ーー老夫婦の息子さんにお会いしたことはありますか?
息子さんにお会いしたことはありません。ただ、担当のケアマネジャーさんから、かなり追い詰められているという話は聞いていました。
ーー1週間老夫婦のお宅を訪問しないことに、不安はありましたか?
両親の介護に疲れ果てて家を離れた息子さんが、おふたりの様子を見て「やっぱり自分が戻らないと……」と思ってしまわれないだろうかと心配でした。
ーーお手紙をもらって、どのように思いましたか?
息子さんに安心してもらえた、安堵(あんど)感のようなものがありました。そしておふたりからは、「これからもふたりでやっていこう」という決意が感じられました。
ーー親の介護に悩む人に、アドバイスやメッセージがあれば教えて下さい。
「親の面倒を他の人に見てもらうなんて」と真面目な方ほどハマってしまうのが、介護のわなだと思うのです。肩の力を抜いて、介護サービスに任せられるところは、任せていただきたいです。親御さんは、いつでも子供さんの幸せを最優先に考えておられます。たとえ、認知症になっていろいろなことを忘れ去っても……。
ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?
「母が亡くなった後の、ぽっかり心に開いた穴がスーッと消えました」「母の介護をひとりで抱えてつぶれそうでしたが、ゆっくりやっていこうと思えました」「今、認知症の母のために、グループホームを探しています。母も怒ってばかりの私より、時々会う笑顔の私の方がいいと思います」など、介護経験のある方からのメッセージをたくさんいただきました。
ーー現在取り組んでいる創作活動について教えて下さい。
AmebaブログやInstagramで介護マンガを発表しているほか、依頼を受けて介護専門誌でマンガを描くこともあります。また、フォロワー様の似顔絵を描く「おかん全国似顔絵カフェ」を月1回、全国各地で開催しています。
(マグミクス編集部)