『ポケモン』の「ノーマル」タイプって今後どうなる問題 「普通」がしっくりこない顔ぶれ
「普通」ってなんでしょうか? 『ポケットモンスター』に登場する「ノーマル」タイプに対して今、このままで良いのかどうかという議論が巻き起こりつつあります。
「ノーマル」とは? 知るほどに頭を悩ませる不思議な「タイプ」

今や世界的人気を誇るゲーム『ポケットモンスター』。「みず」「ほのお」「くさ」とさまざまなタイプのポケモンがいることがこのゲームの世界観の大きな魅力です。初期ポケモン世代は驚くかもしれませんが、『ポケットモンスターXY』からは「フェアリー」タイプが導入されており、ピッピやプリンなどこれまで「ノーマル」タイプだったポケモンたちが「フェアリー」タイプに変更されたり、タイプが追加されたりしたのです。
たしかに「ノーマル」タイプの代表格だったピッピはもともと「ようせいポケモン」であり、「フェアリー」タイプへの変更はしっくりきます。
さて、こうなってくるとそもそも「ノーマル」タイプとは何か、という疑問が発生してきます。「ノーマル」=「普通」「標準」そんな意味合いの言葉です。現在、この「ノーマル」タイプに分類されているのは「ニャース」「ベロリンガ」「カビゴン」「タブンネ」「アルセウス」「レジギガス」などなど……果たして「ノーマル=普通」とは何かと思わず考えてしまうほど、強烈な個性を放つポケモンばかりです。
確かに「ノーマル=普通」があってこそ他の「タイプ」が際立つのですが、多様性の時代において「普通」を押し付け続けるのもまた気の毒といえば気の毒です。(漢字表記だと「無」と表現されることもしばしば。存在しているのに無。もはや実存哲学です)。実際、ファンの間でも「ノーマル」タイプの名称変更に対する意見も見受けられ、「アニマルタイプに変更すれば?」という提言がなされると「それだとレジギガスやポリゴンが含まれない」「では動物モデルのノーマルタイプはノーマルとアニマルの複合にすれば?」「だったら大体のポケモンがアニマルに……」といった議論まで巻き起こっています。
ジムリーダーでは時折、使い手が存在しますが(「金銀」のアカネが使用するミルタンクは当時の小学生を震え上がらせました)。四天王においてはいまだに使い手がいません。もしかしたら……新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で日の目をみることもあるかもしれません。
さて「ノーマル」タイプという言葉自体を受け入れるのもまた多様性ではないかという目線を保ちつつ、ポケモンの「タイプ」の変遷を見守るというのがファンとしてのノーマルな姿勢かもしれません。
(片野)