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【春アニメ1話レビュー】『ULTRAMAN』は日々戦う大人たちのためのヒーロー?

悲哀もつ側面に共感も 特撮ヒーローが注目集める理由

『ULTRAMAN』ポスタービジュアル (C)TSUBURAYA PRODUCTIONS (C)Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi (C) ULTRAMAN製作委員会
『ULTRAMAN』ポスタービジュアル (C)TSUBURAYA PRODUCTIONS (C)Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi (C) ULTRAMAN製作委員会

 特撮ヒーローオタク女子を描いた『トクサツガガガ』(NHK)や、菅田将暉演じる柊一吹(ひいらぎいぶき)が特撮ヒーローのスーツアクターを演じていたという設定の『3年A組ー今から皆さんは人質ですー』(日本テレビ)などは、どちらも特撮のヒーローから多くを学んだ主人公の物語で、2019年1月の放送開始から注目を集めているドラマです。なぜ今、特撮ヒーローが注目されているのでしょうか?

 特撮ヒーローを見ていたかつての子供たちも大人となり、現実社会でいろいろなものと戦っています。特撮の世界では怪人や異星人だった敵の存在も、社会の理不尽や、ハラスメントを行う上司…といった現実のなかの存在に置き換わっているのではないでしょうか。

 この『ULTRAMAN』も、”何かわからない敵”から地球を守るために日夜戦っています。そうした姿は当然、視聴者のなかに潜在的にある、”ヒーローを待ち望む”気持ちに応えているといえますが、その姿は完全無欠の最強ヒーローというわけではありません。

 例えば、『仮面ライダー』は悪の組織に誘拐され、超人的な人体改造を施されてしまいますが、人間の心まで失わずに、悪の力で悪と戦います。しかし、その能力自体は、仮面ライダーにとって”かっこいいもの”ではなく、悪の技術によって施された忌むべき力なのです。元祖「ウルトラマン」では、早田進が墜落死したところを、宇宙人のウルトラマンが融合する形で命を取り戻しますが、早田進はこれによって人ではない存在になってしまいます。人を守るため戦いを続けながらも、自身は人間ではない……といったヒーローの悲哀を読み取ることができます。

 彼らは、私たちと同じように悩み、苦しむといった、アメリカンコミックのヒーローたちにも通ずるような人間的側面があります。ヒーローが日々の自分と同じように苦悩する姿を見て、勇気を奮い立たせ、明日への活力にする……そういった関係性がヒーローと視聴者の間で生まれているのです。正義のために戦うヒーローは、もはや子供だけのものではなく、すべての世代から受け入れられているといえるでしょう。

『ULTRAMAN』第1話では、進次郎が自身の力に悩む姿が描かれています。本作は、Netflixで全世界同時公開が始まりました。かつてウルトラマンを見ていた人たちはもちろん、初めての人も楽しめる作品になっています。日夜、戦っている大人たちのための現代のヒーロー、『ULTRAMAN』の活躍に注目したいところです。

(二木知宏)

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