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【漫画】学校をサボった悩める女子高生、靴工房を見つけ? 結末に「素敵」「元気もらえた」

亡き母の靴工房を継いだ若き靴職人は、未熟ながらも心を込めて注文靴を作っていました。ある日、店の外で靴を眺める女子高生が。「学校は……?」ワケありげな彼女に店内に入るように声をかけ……。Twitterで公開された、みやびあきのさんのマンガが「素敵」と話題です。

自分に合う靴は、自分を救ってくれる。靴職人の物語が心温まる

学校の時間なのに、靴工房に女子高生が… (C)みやびあきの/講談社
学校の時間なのに、靴工房に女子高生が… (C)みやびあきの/講談社

 亡き母の靴工房を継いだ若き靴職人・結彩は、未熟ながらも「いい靴はいい場所に連れていってくれる」という母の言葉を胸に、心を込めて注文靴を作っていました。ある平日の午前、店の外で靴を眺めている女子高生に気付いた結彩。「学校は……?」ワケありげな彼女に、店内に入るように声をかけ……。

 みやびあきのさん(@Mi_akino)による創作マンガ『靴を作る子が悩みを抱える子の一歩を勇気づける話』がTwitterで公開されました。本作は「モーニング・ツー」にて連載中の『靴の向くまま』の第1話。靴職人が靴作りを通して工房を訪れる人の背中をそっと押す、心温まる物語です。

 第1話には、読者から「素敵なお話」「感動した」「泣ける」「お姉さんがいい人すぎる」「読んでいる側も不思議と元気がもらえた」「靴は大事」「オーダー靴欲しい」などの声があがり、Twitter投稿には3万いいねの反響が集まりました。

 作者のみやびあきのさんに、お話を聞きました。

ーーみやびあきのさんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

 いろんなところに持ち込みをしてはうまくいかなかった頃、私の後輩がご縁のあった芳文社のマンガ編集の方に、私のことを紹介してくれたらしいんです。「頑張ってるのを知っているので報われてほしいです」と言われて本当にうれしかったのをよく覚えています。

 その後、その編集の方が私のホームページや作品を見て興味を持って下さり、メールを下さいました。打ち合わせを重ねて、連載デビュー作『はぢがーる』がスタートします。それまでも小さな仕事はたくさんさせていただいていたのですが、私のなかでは商業誌連載デビューということでこれを漫画家としてのデビュー作にしています。

ーー『靴の向くまま』のお話はどのように生まれたのでしょうか?

 前作『珈琲をしづかに』を描き切ったあと、次のネタを出さなければと、いくつかアイデアを出しました。そのなかの「何でもいいからギャルが描きたいけれど、具体的な内容は何も決まってない」というメモがありまして、職人ものもやってみたいと書きました。

 私は和服が好きなので、当初は染色や織物といった伝統工芸を行う職人とギャルでどうかな~と思っていたのですが、私の友人が佐賀で靴職人をやっていて、「靴職人もいいかもしれない」とメモを残しました。それが担当さんのアンテナに引っかかったようで、「靴いいですね!!」と。

 その時点ではまだ靴のマンガを連載するとは決まっていない状態で、友人のお店で自分の靴を作ってみたいという気持ちもあったし、東京から佐賀まで行くので、注文と同時に取材もさせてほしいとお願いしたら、快くOKをもらえました。

 当日まではひたすら靴の知識を高めようと、靴作りの本や靴職人の伝記、歴史、靴の雑誌や図鑑、動画などに目を通しました。それから友人のところに注文と取材に行きましたが、知れば知るほど面白い世界で、すべてが新鮮で楽しかったです。

 一番驚いたのは自分の足のサイズでした。かかとが小さい、幅が細い、サンプルシューズは自分の足長からすると1.5cmも小さいものを履いてみて、と言われて、そこで初めて「かかとと踏まずがフィットする」という感覚を知りました。そして友人が職人になろうと思ったきっかけが「パンプスを毎日投げ捨てようかと思うぐらいこの靴が嫌いだった」と話してくれたのですが、共感しかなかったです。

 そして「履きやすい靴」「自分に合う靴」というものに生まれて初めて巡り合いました。それから自分が今まで履いていたスニーカーを履くと踏まずがフィットしてないのが分かるんです。「合う」を知って初めて「合わない」が分かる。きっと、そういう人が多いんだろうな。その感動と感覚が原点です。

 その後パンプスも作りに行ったり、取材を重ねるなかで、私のなかで「痛みは慣れたらだめだよ」というセリフが生まれたりしました。これは足の痛みに限らずですが、みんなよく「苦しい」という感情を我慢するんですよね。このくらい別に、と。日本人は特に我慢強いと言われますが、苦しい、つらい、逃げ出したい、できれば話を少しでいいから聞いてほしい、そういう感情を押し殺してる人が多い。ある意味強いと思いますし、弱いとも思います。

 感情は押し込めるとよどむと思っているので、その感情と、今まで知らずにずっとためてきた足へのダメージのようなものが重なったんだと思います。みんな何かを我慢して生きてる。周りに合わせて生きてる。そんななかで靴は自分らしさを出していくことで自分を救ってくれる存在なのが面白くもあり、心強くもありました。そういう気持ちから生まれた作品です。

『靴の向くまま』1巻が発売中(講談社)
『靴の向くまま』1巻が発売中(講談社)

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声があれば教えて下さい。

 1話の試し読みをTwitterに出してから、多くの反応をいただいて、ほとんどが温かいものばかりで感謝しております。ありがとうございます。印象的だったのは「普段マンガは読まないけどこれは気になった」とか「初めてマンガを買いました」などでしょうか。親子で本屋さんに行って、娘さんがたまたまこの本を「面白そう」と指さした、というものもありました。普段マンガを読まない方が読んで下さっているのはとても感動的でした。

 また、前作『珈琲をしづかに』を好きでいて下さっている方が、「あの作品の作者さんだったら」とお手に取って下さるのも本当にうれしかったです。今までのファンの方にも届きつつ、新規の方に面白いと思っていただけるのは純粋にうれしかったです。

ーー『靴の向くまま』の1巻が2023年2月21日に発売されました。お話の内容や見どころなどをご紹介いただけますか?

 話の内容はシンプルなものです。靴を変えることで劇的に何かが変わるわけではなく、心がほんの少しだけ上を向く。その「ほんの少し」がまた何かを少しずつ変えていく。そういった感情の動きを描いていけたらと思っています。

 靴を作る、何かを自分のためだけに作るというのは自分と向き合うことでもあると思うので、主人公の女の子と対話を重ね、心と心が通っていけたらうれしいです。願わくば、読んだあとに少しだけ気持ちが上向いていたらいいなと思います。温かい話、落ち着いたお話が好きな方はぜひ。

 靴については、調べる前は知らないことばかりだったので、そういう私自身の驚きと新しく入れた知識も随所にちりばめていますので、豆知識としても楽しんでいただけたらうれしいですが、知識本ではないので、気になったらご自分で調べてみてほしいなと思います。それと、足の事情は人それぞれ違うので、興味を持っていただけたら、まず足を測ってみてほしいと思います。

ーー今後の創作活動について教えて下さい。

 そこまで執筆速度が早くないので、この作品が続く限りは、この作品だけに注力しようと思っています。靴教室に通いながら描いていますが、日々知らなかったことばかりなので、誠実に作品の題材と向き合って、取材を重ねながら向き合っていきたいですね。

(マグミクス編集部)

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