不運?「ドラクエ続編」と発売が重なったファミコンソフトたち 「中身は良作なのに」
二度も「ドラクエ」と発売時期がかぶったゲーム

●『魂斗羅』
『ドラクエII』と同時期に『我王の冒険』を発売したコナミは1988年2月9日、アーケードゲームからの移植版である『魂斗羅』(コントラ)を発売します。しかし、翌日には社会現象を巻き起こした『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(以下、ドラクエIII)がリリースされることに。世間は『ドラクエIII』一色に染まっていましたが、ファミコン版『魂斗羅』はアーケードの爽快感を上手く取り入れることに成功しました。
ファミコンソフトながらも、弾幕やキャラクターが入り乱れる銃撃戦を、目立った処理落ちなどもなく見事に描写。新規ギミックと手強いボスも加わってプレイバリューがアップし、アーケード版の不足部分を補った完全版といっても差し支えないほどに仕上がっていました。
●『スーパー魂斗羅』
前作の発売からちょうど2年後、コナミは同じくアーケード版の移植作『スーパー魂斗羅』をリリースします。ところが偶然の一致と言うべきか、今度は『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』と発売時期が重なってしまいます。
本作は『魂斗羅』のファミコン版に準拠したクオリティですが、プレイ中における画面レイアウトの変更(縦画面→横画面)をはじめ、前作よりも移植に際してアレンジ度がアップ。それでも「魂斗羅」の魅力であるハードなアクションシューティング部分は巧みに再現されており、シリーズファン、新規ファンを含めてユーザーから根強い支持を獲得しました。
ちなみに欧州では『スーパー魂斗羅』ではなく、『Probotector II: Return of the Evil Forces』へと名称が変更。プレイヤーを含む人間キャラクターは登場せず、代わりに戦闘用の人型ロボットが戦地を奔走しています。
(龍田優貴)