クラウドら人気キャラを輩出、1997年発売の『FF7』がRPGに与えた影響とは?
ゲームの枠を超えた、キャラクターたちの魅力

主人公の「クラウド」は『FF』シリーズとは直接関係のない『大乱闘スマッシュブラザーズ』にゲスト参戦していて、作品の垣根を超えて活躍を見せる人気キャラクターです。複雑な素性ゆえ、物語冒頭では行動を共にする仲間に対して「あんたたちの名前なんて興味ないね。どうせこの仕事が終わったらお別れだ」と言い放ちますが、ゲームを進めていくうちに、共感できる部分もだんだんと滲み出してきます。戦闘面では、彼の繰り出すリミット技「超究武神覇斬」の格好良さにときめいた方も多いのではないでしょうか。
またクラウドと同様、「ティファ」に「エアリス」、そして全編を通してプレイヤーの前に立ちはだかる「セフィロス」など、魅力的なキャラクターが多数登場します。ネタバレにつながるため詳しくは言えませんが、中にはキャラクターの生死に関わるイベントも。この展開はゲーム業界外にも波紋を及ぼしたほか、特定キャラクターを生き返らせる裏技も横行し、多くのプレイヤーを巻き込む一大事として取り上げられました。
一方、ゲームシステムに目を向けるなら、育成システムの自由度を高めた「マテリア」も見逃せません。星の生命力である魔晄(まこう)が結晶化したマテリアは、本作の世界観とも深く関わっているキーアイテム。武器や防具にマテリアをはめ込むことで、キャラクターの戦闘能力を底上げしてくれるのです。
前作『ファイナルファンタジーVI』にも、キャラクターのステータスを補正したり、魔法を使用可能にする「魔石」がありましたが、『FF VII』におけるマテリアとは、従来の装飾品をさらに一歩押し進め、よりゲーム内の物語と密接にリンクさせたもの、というイメージに近いかもしれません。
かけ足気味に振り返ってみましたが、『FF VII』はシリーズ作品だけでなく、のちのRPG作品の系譜における一種のメルクマールだったと個人的に考えています。いずれにせよ、約5か月後に迫った『ファイナルファンタジーVII リメイク』の発売を心待ちにしたいところですね。
(龍田優貴)
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