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『ガンダム』のシャアは「サイコパス」? 不可解な行動の背景、時代を切り開く能力も

宇宙世紀を舞台にした『機動戦士ガンダム』の主人公アムロにとって、「宿命のライバル」となったのがジオン軍のシャア・アズナブルです。多くの人を魅了するカリスマ性の持ち主ですが、目的を果たすためには手段を選ばない冷酷で自己中な一面も持っています。シャアは「ニュータイプ」ではなく、「サイコパス」である可能性が考えられます。

気になるシャア・アズナブルの精神構造

『機動戦士ガンダム』作中を通して、シャア自身の複雑な過去や内面も描かれた。画像は『シャア・アズナブルぴあ 特別編』の表紙(ぴあ)
『機動戦士ガンダム』作中を通して、シャア自身の複雑な過去や内面も描かれた。画像は『シャア・アズナブルぴあ 特別編』の表紙(ぴあ)

 もしも精神科医がアニメキャラクターをカウンセリングすることになったら、あの人物に強い関心を持つのではないでしょうか。あの人物とは、『機動戦士ガンダム』(1979年~80年/テレビ朝日系)の人気キャラクターであるシャア・アズナブルです。説明するまでもなく、ジオン軍のエースパイロットとして活躍した「赤い彗星」のことです。

 仮面の男・シャアの本名は、キャスバル・レム・ダイクン。ジオン公国の創始者であるジオン・ズム・ダイクンの息子という高貴な生まれでしたが、両親がともに非業の死を遂げたことからジオン公国の実権を握ったザビ家を憎むようになります。成長したシャアは経歴を偽ってジオン軍に入り、目覚ましい軍功を立てる一方、ザビ家への復讐のチャンスを虎視眈々と狙います。

 多くの人を魅了するカリスマ性をシャアは持ちながら、ザビ家を倒すためには手段をいっさい選ばないという冷酷な顔を隠し持っています。シャアの精神構造はどうなっているのか、精神科医ならずとも気になる人は多いはずです。

脳科学者が説く「サイコパス」の特徴

 脳科学者の中野信子氏の著書『サイコパス』(文春新書)を開くと、「サイコパス」の特徴が以下のように挙げられています。

・外見や語りが過剰に魅力的で、ナルシスティックである。

・恐怖や不安、緊張を感じにくく、大舞台でも堂々として見える。

・多くの人が倫理的な理由でためらいを感じたり危険に思ってやらなかったりすることも平然と行うため、挑戦的で勇気があるように見える。

・お世辞がうまい人ころがしで、有力者を味方につけていたり、崇拝者のような取り巻きがいたりする。

・常習的にウソをつき、話を盛る。自分をよく見せようと、主張をコロコロと変える。

・ビッグマウスだが飽きっぽく、物事を継続したり、最後までやり遂げることは苦手。

・傲慢で尊大であり、批判されても折れない、懲りない。

・つきあう人間がしばしば変わり、つきあいがなくなった相手のことを悪く言う。

・人当たりはよいが、他者に対する共感性そのものが低い。

 かなりの部分が、シャアに当てはまるではありませんか。「サイコパス」は、特に共感能力が欠けていると言われています。それゆえ他人の死を平然と見ていることができるわけです。士官学校時代の学友だったガルマ・ザビを謀殺した瞬間の、シャアの笑った表情などは、まさにサイコパス的だと言えるのではないでしょうか。

 一年戦争のどさくさに紛れてザビ家への復讐を果たしたシャアは、『機動戦士Zガンダム』(1985年~86年/テレビ朝日系)ではクワトロ・バジーナという偽名を名乗り、敵対していたアムロ・レイと共闘することになります。しかし、劇場アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)では再びアムロと戦い、さらには地球に小惑星アクシズを落とし、地球人類の粛清を図ります。

 シャアのこうした不可解な行動も、「サイコパス」というキーワードからひもくと、納得できるものがあります。

【ヤバい】冷たい目つきにゾクゾクする? 『THE ORIGIN』のシャア・アズナブル(7枚)

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