うっかり観たら「危険?」なアニメ映画 「虫はやめて」「あれ年齢制限は?」
数あるアニメ映画のなかには、とくに年齢制限がなくてもうっかり観るとショックを受けそうな、過激な要素がある作品もあります。近年も巨大な昆虫が出てきたり、人間の闇深い一面が描かれたりした、恐ろしいアニメ映画がありました。
美しい映像に気を取られていると

マンガを原作としたアニメ映画のなかには、原作の過激な描写をしっかりと再現し「映画倫理機構」(映倫)から「R指定」に分類された作品もあります。一方で、特に厳しい年齢制限はないものの、観てみるとギョッとしてしまう「ホラーアニメ映画」もありました。
●『アラーニェの虫籠』
不気味なうわさの絶えない巨大集合住宅が舞台の映画『アラーニェの虫籠』は、謎の蟲を目撃した女子大生の「りん」が、さまざまな怪異に巻き込まれながら蟲の謎を追っていく姿を描いた作品です。独特の表現技法や圧倒的な映像美で有名なアニメーション作家の坂本サクさんが、監督、原作、脚本、アニメーション制作、音楽のすべてを手掛けています。
ホラー作品ながら、本作は幻想的な日常風景や美しい登場人物たちに目を奪われる、美麗なアニメーションが印象的です。しかし、急に迫りくる謎の影や不気味にうごめく虫、首があらぬ方向に曲がった変死体など、「超絶絵師」とも呼ばれた坂本さんの手により、ショッキングな恐怖映像も圧倒的な迫力で表現されています。
その独特の世界観から、「ホラー苦手なことを忘れるほど見入ってしまった」「ストーリー性と映像のクオリティを両立した素晴らしい作品」と、ネット上で好評のレビューもある一方、「なぜ全年齢なのか理解できないほどにグロい」「虫に関するグロだけじゃなく多様なホラー演出がすごい」という声もあがる作品となりました。
また、本作の続編『アムリタの饗宴』も、少女が身体を虫に乗っ取られるシーンや不気味な影が映る怪奇現象の演出もあり、前作に続きホラー的要素も満載です。『アムリタの饗宴』は、イタリア・フィレンツェの「第7回アニモ―ション映画祭」で最優秀長編作品賞を受賞しています。日本人監督の長編グランプリ受賞は史上初であり、ホラーアニメの名作といえるでしょう。
●『ソウル・ステーション/パンデミック』
韓国で社会現象に発展し、2016年最大のヒットを記録したゾンビアクション映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚をアニメで描いたのが、『ソウル・ステーション/パンデミック』です。もともとアニメ映画の監督として活躍していたヨン・サンホさんの手で、風俗店で働く「ヘスン(『新感染』でも序盤に出演したシム・ウンギョンさんが演じる)」を中心に、ゾンビパニックが広まるまでのシリアスな人間ドラマが展開されます。
それまで日常生活を送っていた人びとが、未知のウイルスに感染して狂暴化し、周りの人間に襲いかかる姿は実写とはまた違う恐ろしさで、緊迫の展開が続きます。突然ゾンビが出てくるパニック要素や、人間を捕食して血が飛び散るようなグロテスクなシーンもあり、スピーディーなアクション映画として楽しめる『新感染』よりも、ショッキングに感じる人もいるでしょう。
また、ホラー要素だけでなく韓国の労働者階級やホームレスなどの生活困窮者、彼らに冷たく接する街の人びとなどが生々しく描かれ、社会風刺的な要素も盛り込まれています。ネット上では、「単なるゾンビ映画じゃなくて社会問題とか人の闇が盛り込まれたストーリーで見ごたえがある」「走るゾンビが怖い。けど社会の闇も怖い」など、社会的視点に関心するレビューも多くありました。
もともと『豚の王』『我は神なり』など、社会派のアニメ映画を撮っていたヨン・サンホ監督らしく、ホラー要素はもちろんのこと、社会のひずみから生まれる救いのないストーリーが心に残ります。






