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【漫画】「カードを覚えてください」そのまま消えたマジシャン 52年のときを経て明かされた真実に「愛を超えて怖っ!」

マジシャンにひいたカードを覚えていてくださいと言われた男性。しかし、マジシャンはカードをしまってどこかへ行ってしまいました。そんな若い頃にあった不思議な経験をおじいさんがおばあさんに話していると……? 作者のヒロ・コトブキさんにお話を聞きました。

ほのぼのとした会話が一変して「恐怖」

カードを覚えさせたまま手品を中断して消えてしまう手品師(ヒロ・コトブキさん提供)
カードを覚えさせたまま手品を中断して消えてしまう手品師(ヒロ・コトブキさん提供)

「ひいたカードを覚えていてください」と言い残したまま、マジシャンはカードをしまって、トランプマジックのオチを見せることなく、スケボーでどこかへ行ってしまいました。そんな若い頃にあった不思議な経験をおじいさんがおばあさんに話しています。すると、おばあさんは「パチン」と指を鳴らして……?

 ヒロ・コトブキさん(@kotobuki_hiroju)による創作マンガ『愛の重さ』がX(旧:Twitter)上で公開されました。読者からは「こっわ、震える」「トランプマジックやるタイプのマジシャンが、女性だとは思わないからね」「とんでもない愛だ(笑)」などの声があがっています。

 ヒロ・コトブキさんは漫画家として活動しており、主にSNSでマンガを投稿しています。独創的な発想から描かれるマンガは多くの読者を楽しませています。

 作者のヒロ・コトブキさんにお話を聞きました。

ーーまさかの展開にとても驚きました。今作『愛の重さ』を描いた理由や、生まれたきっかけを教えて下さい。

 理由は例によって特にないんです(笑)。ごめんなさい。きっかけはXで流れてくるような何気ない手品の動画を見ていて、トランプマジック(ひいたカードを覚えておいてもらって→一度トランプのなかにしまって→さっきひいたカードを当てる)という定番の流れのなかで、その驚きの最高峰ってなんだろうなあと思ったときに「派手な演出をするよりも、遠い距離をワープさせるよりも、シンプルに空けた時間の長さかも……」と思ったのが始まりです。そこにラブを乗せて恐怖を追加しました。

52年ぶりに再始動した手品に驚きよりも恐怖する老人(ヒロ・コトブキさん提供)
52年ぶりに再始動した手品に驚きよりも恐怖する老人(ヒロ・コトブキさん提供)

ーー今作を描くうえで工夫した点や、お気に入りのシーンやセリフなどはありますか?

 思いついたときは4コマでしたが、長く歩んできたふたりに愛着を持たせたかったことと、恐怖感をじんわり伝えたかったことがあったので、コマごとの時間の進み方をゆっくりにしました。指をパチンと鳴らすまでの2コマの余白やセリフは少し考えたと思います。

ーー強烈な存在感のおばあさんに対して読者の方から多くの反響がありました。制作時にこだわった点や、もしキャラクターの細かい設定などがあれば教えて下さい。

 細かい設定などはないですが、おばあさんの狂気性は、「笑顔を崩さないこと」、「飲食物にトランプを仕込むこと」、「この歳でもスケボーやってる(かも知れない)こと」、で表現をしています。が、それ以上に「表現をしていない部分」、読む人の想像力にあずけた部分こそが良かったんだと感じています。

 例えば「なぜ52年間も黙っていられたんだろうか?」とか、「おじいさんがこの話を出さなかったら墓場まで持って行ったんだろうか?」とか、「どこからどこまでが計画だったんだろうか?」といった答えのないところを、みんなが想像して恐怖してくれているのがうれしく楽しかったです。

(マグミクス編集部)

【マンガ本編】「カードを覚えてください」そのまま消えたマジシャン 52年のときを経て明かされた真実とは?

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