都民は観られなかった「幻」の最終回も? 昭和ならではのアニメ珍事件
今やアニメの作画崩壊が起こるだけでネットがザワつく時代です。しかし昭和のアニメ史を振り返ってみると、作画崩壊がかわいく思えるほど信じられない珍事件がいくつも起こっていました。もしあの頃にネットがあれば、大きな話題になっていたかもしれません。
一部地域の人しか知らない『ベルばら』の最終回

1963年に日本初の国産TVアニメ『鉄腕アトム』が生み出されてから現在に至るまで、アニメ界隈ではさまざまな珍事件が起こりました。
『カードキャプターさくら』最終回の録画失敗を招いた「武蔵丸の悲劇」、衝撃的な最終回にクレームが殺到した「セーラームーン無印ラストショック」などなど……。いつの時代もアニメには事件が付きものです。そしてそれは昭和のアニメも例外ではありません。
いまでこそ放送中のアニメが突然打ち切りになることは滅多にありませんが、4クール連続放送が多かった昭和の時代はそれが当たり前に起きていました。完全新作の劇場アニメが話題を呼んでいる『ベルサイユのばら』もそのうちのひとつです。
TVアニメ『ベルサイユのばら』は、1979年からおよそ1年にわたって全40話が放映されました。しかし一部地方では諸事情により24話で打ち切りとなり、地方版最終回として第24話「燃えつきたバラの肖像」が制作されました。
このエピソードは東京などでは放映されておらず、のちに再放送もビデオソフト化もされていません。ゆえにその一部地域の人のみ視聴した最終回として知られ、いまもなお「幻の第24話」として語り草となっています。大人の事情で打ち切りになることも珍しくなかった昭和ならではの珍事件と言えそうです。
また打ち切りにまつわる珍事件といえばもうひとつ、「空モモラストショック」を語らないわけにはいきません。1982年に放送された『魔法のプリンセス ミンキーモモ』は、夢の国から来た少女「ミンキーモモ」が魔法の力で大人に変身し、人びとの夢を守るために奮闘していく物語でした。
その人気は子供だけに留まらず当時のアニメファンも魅了し、当初は1桁台だった視聴率も少しずつ上がっていきました。一見、打ち切りになるような問題は何もないように思えますが、関連玩具の売り上げが不振に陥ったことから、全52話の予定を最終的に全46話で打ち切ることが決定したのです。
急遽決まった打ち切りによって、それまでコミカルだった作風も終盤で一気に変わりました。モモは魔法のペンダントを失い、普通の女の子として生きることを決心するも、その矢先に車にひかれて帰らぬ人になってしまいます。
まさかの主人公死亡エンドという幕引きは、モモのこれまでの活躍を見ていた視聴者にとってかなりショッキングだったのではないでしょうか? ちなみにその後、スポンサーが突如として放送延長に舵を切ったことで、何事もなかったかのようにモモが登場する第2部がスタートしました。
1984年より放送された『北斗の拳』では、次回予告ナレーションを務めた声優の千葉繁さんにまつわる珍事件が存在します。本作の次回予告といえばハイテンションすぎることで有名で、ナレーション宛てに大量のファンレターが届くほどの名物コーナーでした。
ただあの激しいボイスはかなり無理をして出していたようです。ご本人もいよいよ限界を感じ、途中からテンションを落としたナレーションに変更しました。
その結果、視聴者から「なんでナレーションの雰囲気を変えるんだ! もう見ないぞ!!」といった内容のクレームが殺到し、スタッフからも「申し訳ないけど死んでください……!」と説得されたといいます。以降は千葉さんもヤケクソになり、さらにテンションを上げた激しい次回予告を披露するようになるのでした。
(ハララ書房)
