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『あんぱん』嵩たちは何をしに東京へ? この旅行でモデル・やなせたかしたちを襲った「大事件」とは

『あんぱん』第15週では、嵩が高知新報に入り、のぶたちと一緒に東京へ行きます。史実の、モデル・やなせたかしさんはこの東京旅行で危険な目にあっていました。

東京旅行の目的は

柳井嵩役の北村匠海さん(2020年11月、時事通信フォト)
柳井嵩役の北村匠海さん(2020年11月、時事通信フォト)

 2025年前期のNHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』71話では、主人公「若松のぶ(演:今田美桜)」が働く「高知新報」の採用試験にやってきた「柳井嵩(演:北村匠海)」が、面接で苦戦する姿が描かれました。しかし、終盤に思いがけない形で、嵩にイラストの仕事を頼むことになります。

 物語のモデルのやなせたかしさん(『アンパンマン』の作者)とその妻の小松暢さんは、そもそも高知新聞の同僚として出会っており、すでに明かされている72話のあらすじでは嵩も採用されてのぶが所属する「月刊くじら」の編集部に入ることが発表されました。今後ふたりが、どのような仕事をするのかも注目を集めています。

 そして、『あんぱん』第15週のサブタイトルが、「いざ! 東京」であるのも気になる点です。15週の予告で編集長の「東海林(演:津田健次郎)」が意気揚々と「全員で行くぞ、東京!」と叫んでいましたが、「月刊くじら」のメンバーは何をしに行くのでしょうか。

 史実でも、やなせさんと暢さんが仕事をした「月刊高知」編集部全員で、1946年7月末に東京への取材旅行を行ったそうです。このことはいくつかあるやなせさんの自伝的書籍のなかでも、たびたび取り上げられています。やなせさんは一緒に仕事をするうちに早い段階で暢さんを好きになっていたそうで、特にこの東京旅行で彼女に惚れてしまう出来事が起きていました。

 行きの移動の時点で、大混雑の汽車を乗り継ぎ大変だったというこの旅行では、やなせさんたちは高知県出身の国会議員や作家に会って取材を行ったり、東京の盛り場のルポを書いたりしています。『それいけ!アンパンマン』で「アンパンマン」の声を演じている戸田恵子さんが演じる代議士「薪鉄子」も、このときに会った議員がモデルと思われます。

 そして旅行の終盤の夜、高知新聞の東京支局の2階で寝泊まりしていたやなせさんたちは、闇市で買ってきた「おでん」を分け合いました。当時、おでんはなかなか食べられるものではなく、やなせさんは編集長の青山茂さん、編集部員の品原淳次郎さんたちと、玉子、つみれ、かまぼこ、ちくわなど貴重なタンパク質が摂れるおでん種を夢中で食べたそうです。
 
 しかし、そのおでんが腐っていたためか、やなせさんたちは食中毒となりひどい腹痛、下痢に襲われました。ただ、暢さんは「おいしいものは、なるべく男の人に食べさせてあげたかったから」(やなせたかし著『人生なんて夢だけど』より)と、大根やジャガイモばかりを食べていたため無事で、男性陣3人の看病をします。その後、やなせさんはほかふたりよりも早く回復したそうで、看病や取材の跡片付けを暢さんとふたりきりで行い、距離が縮まりました。優しい気づかいで暢さんがさらに好きになったというやなせさんは、ふたりでリヤカーを引いているところを通行人に冷やかされたのもうれしかったそうです。

 やなせさんはこのおでん事件に関して、「三人が助かったのは小松記者が健在だったおかげだ」と言い、「ぼくよりも二人の恢復(回復)がおくれたのは、やはりひとつの運命だったのかもしれない」「おでん中毒事件がなかったら、僕のその後の運命は違ったかもしれない」(やなせたかし著『アンパンマンの遺書』より)と、暢さんとの結婚する前の重要な出来事として振り返っています。

『あんぱん』では嵩は昔からのぶのことが好きなため、再度彼女に惚れ直すようなエピソードは必要ないかもしれませんが、北村匠海さんや津田健次郎さんたちがお腹を壊しているシーンを思い浮かべると、話題性は高そうです。果たして「おでん事件」は描かれるのでしょうか。

(マグミクス編集部)

【画像】え…っ? 「めっちゃ美人」「こりゃ、やなせたかし先生もホレるわ」 こちらが妻・暢(のぶ)さんの若き日の姿です

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