実は「TVアニメ空白期」が多い『ガンダム』 穴を埋めて人気を維持した「功労者」とは?
次世代のファン層への「バトンタッチ」にも成功

『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)終了後、ガンダムシリーズは一時的にTVから姿を消しました。代わりに劇場版やOVAという形で新作は発信され続けます。レンタルビデオが普及した時代でもあり、それほど視聴は難しくありませんでした。
この時代にシリーズを支えたガンプラといえば、やはり「SDガンダム」シリーズでしょう。第1期ガンプラブームを支えた世代より下の、当時の小学生たちから好評を得ました。つまりガンダムファンの「世代交代」を成し遂げたわけです。
ちなみに第1期ガンプラ世代に向けた商品として、1990年に「HG(ハイグレード)」と呼ばれるシリーズが展開されました。これは当時の技術水準でリニューアルした1/144シリーズです。この商品が発売されたことが、ガンプラの歴史では大きな一歩となりました。
ここで生まれた「SD」世代に向けて、ガンダムシリーズのTVアニメは復活を果たします。その第1弾が『機動戦士Vガンダム』(1993年)でした。そして第2弾となる『機動武闘伝Gガンダム』(1994年)の登場で、SD世代の受け皿となるシリーズへとなります。
もっとも、後に「オルタナティブシリーズ」と名付けられた作品群は『機動新世紀ガンダムX』(1996年)で一度幕を閉じることになりました。しかし、ガンプラの進化はアニメの進行に関わらず進んでいたのです。
1995年にガンプラ15周年記念企画として登場した1/100サイズの「MG(マスターグレード)」は、当初は高級品としての立ち位置でした。その後、ガンプラ20周年記念企画として1998年には1/60サイズの「PG(パーフェクトグレード)」が登場し、より完璧なガンプラが模索されることになります。
この間、『∀ガンダム』(1999年)で単発的にTV作品として復活した後、新たなシリーズとして『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)が放送しました。この『SEED』が新たなガンダムファン層の獲得に成功します。
一般的に女性ファン人気の高さが指摘される『SEED』ですが、それと同じくらい小学生人気も高い作品でした。実際に300円クラスで発売された低価格帯のガンプラはヒット商品となり、関係者から「第1次ガンプラブーム以来のヒット」といわれるほどだったそうです。
これらの歴史を紐解いていくと、「ガンプラによる次代へのバトンタッチ」が上手く機能したことが、今のガンダムシリーズの知名度を支える要因だったことがわかるでしょう。現在、幅広い層でガンプラがもてはやされるのも、納得できるというものです。
(加々美利治)



