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鶴ひろみさん追悼 鮎川まどか、ブルマ、ドキンちゃん…キャラの声が心に遺る

鶴ひろみ氏のドキンちゃんを聞きながら大人になった

『ペリーヌ物語』ペリーヌ・パンダボアヌ役 画像は「ペリーヌ物語 ファミリーセレクションDVDボックス」(バンダイビジュアル)
『ペリーヌ物語』ペリーヌ・パンダボアヌ役 画像は「ペリーヌ物語 ファミリーセレクションDVDボックス」(バンダイビジュアル)

 1978年にTVアニメ『ペリーヌ物語』の主役、ペリーヌのオーディションに合格して声優としてのデビューを果たした鶴氏はその後多くの作品に出演するようになります。

 特に1986年から放送されたアニメ「ドラゴンボール」シリーズで演じたブルマは2015年の『ドラゴンボール超』でも引き続き担当し、足掛け30年以上にわたって見事な演技を聞かせてくれました。しかし放送中に逝去されてしまったため、128話までの出演となっているのが残念です。

 その他にも『GS美神』の美神令子、『らんま1/2』の久遠寺右京など多くの役を演じてこられた鶴氏ですが、筆者にとって最も印象的だったのが、『きまぐれ☆オレンジロード』の鮎川まどかです。美人で大人びた良家のお嬢様でありながら周囲に恐れられている不良で、関わるのは幼なじみの檜山ひかるくらいの孤高の存在。しかし実は繊細な性格で心優しい恋する少女という思春期の際どい部分を凝縮した複雑で難しい役を、鶴氏はシーンごとに微妙に演技を変えて鮎川の心象を表現しながら演じ切っており、声優が持つ表現力の幅広さと凄みを見せてくれました。

 鶴氏自身も鮎川にはかなり思い入れがあったようで、インタビューでは「まどかのおかげで役が広がった」とも語っています。つい先日、原作者のまつもと泉先生も亡くなられてしまい、かつて『きまぐれ☆オレンジロード』の世界に憧れた世代としては、寂しさは募るばかりです。

 そして鶴ひろみ氏と言えば、アニメ『アンパンマン』のドキンちゃんを長く演じてきたことでも知られています。亡くなられた後も収録済みの音声が残されており、1988年12月から2018年1月までの約29年間、多くの子供たちを楽しませてくれました。『アンパンマン』を見て育った世代の人間は、もう大人になった人の中にも、まだ小さな子供の中にも同じように鶴ひろみ氏の声が宿っている、生き続けている。筆者にはそのように思えるのです。

(早川清一朗)

【画像】声優・鶴ひろみさんが演じたキャラクターたち

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