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驚愕の6輪車「タイレルP34」の衝撃。「創作の世界」で後継機が作られ続けて…?

影響は実車でなくフィクションに浸透する

P34の影響を受け、『アローエンブレム グランプリの鷹』では驚異の8輪車が登場した。画像は「アローエンブレム・グランプリの鷹 - スペクタクル・サウンド」(COLUMBIA)
P34の影響を受け、『アローエンブレム グランプリの鷹』では驚異の8輪車が登場した。画像は「アローエンブレム・グランプリの鷹 – スペクタクル・サウンド」(COLUMBIA)

 P34という6輪車は、レースの世界では大きな結果を残せず、後継機と言うべきものも存在しませんが、そのインパクトはフィクションの世界に多大な影響を与えました。

 P34の活躍時期がちょうど日本の「スーパーカーブーム」と重なっていたこともあり、子供たちがスーパーカー以外にもF1マシンなどのレーシングカーに興味を示すきっかけとなります。おりしも「スーパーカーブーム」の影響で、レースカーを題材に製作されていたTVアニメも多くありました。そのほとんどの主役メカはP34の影響を受けて6輪車以上になっています。

 なかでも『アローエンブレム グランプリの鷹』では、設定面にもリアルな方向性で「8輪車」という、実写では不可能ともいえるF1カーを登場させました。そして、番組後半で「F0」というオリジナル展開に進んだときは、ほとんどのレーシングマシンが6輪車になっています。

 もちろん、タイレルP34がそのまま登場した作品もありました。それが『ルパン三世(第2作)』(1977~1980年)です。第11話「モナコGPに賭けろ」でルパンが搭乗していました。

「タイヤが多い」というデザインが「イコール速い」というイメージは、この頃より刷り込まれたのではないでしょうか? これ以降、アニメなどで使われるオリジナル車両が4輪車でなく、多輪車になっていくのはP34の影響下にあるからだと思います。このイメージは定番化され、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』(1991年)のレーシングカーたちにも引き継がれていました。

 当然、オモチャやプラモデルの世界でもP34の人気は高かったです。前述したタミヤ模型では、模型では初めてチーム側にロイヤルティーを支払う形をとって、1/20や1/12のスケールモデル、1/10のラジコンを発売していました。

 オモチャとして有名な『トランスフォーマー』では、P34がロボットになるスタントロン部隊の「兵士ドラッグストライプ」というキャラが登場しています。さらに手足にトランスフォームして、他のスタントロンと合体し、合体兵士メナゾールとなるギミックもありました。

 この他にも、ゲーム『メダロット』に「ティレルビートル」というメダロットが登場しています。名前の通りP34がモチーフのようで、前輪が4輪の形に変形しました。

 このように、フィクションの世界では後継機に恵まれたタイレルP34は、我々に「タイヤが多い方が速そう」というイメージを与えます。しかし、世の中にはさらに上がいるもの。実はガスタービンエンジン搭載の12輪車「ライオン」という、幻のF1マシンも計画だけは検討されていたそうです。

(加々美利治)

【画像】伝説のマシン「P34」の全体像。影響を受けて「車輪が増えた」マンガ・アニメ作品も(6枚)

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