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25年前の『ガンダムX』視聴を薦めたい理由 放送短縮の憂き目に遭うも、見事な完成度

なぜ放送が短縮されたのか?

『ガンダムX』物語後半で主人公機として活躍した「ガンダムダブルエックス」。画像は「HGAW 1/144 GX-9901-DX ガンダムダブルエックス」(BANDAI SPIRITS)
『ガンダムX』物語後半で主人公機として活躍した「ガンダムダブルエックス」。画像は「HGAW 1/144 GX-9901-DX ガンダムダブルエックス」(BANDAI SPIRITS)

 しかし、『ガンダムX』は当初予定の4クールから、3クールへと放送が短縮されています。しかも関東地方の放送枠が金曜日の17時から土曜早朝の6時へと移動させられるという、ガンダムシリーズにおいて前代未聞の出来事も発生しました。なお地方ではもとの時間帯のままの放送だったため、メインの放送局であるテレビ朝日のみが遅れて放送する逆転現象も発生しています。

 なぜ放送が短縮されたのでしょうか。現実問題として、当時のガンダムシリーズは視聴率としてはそれほど良くはなく、『ガンダムX』も初回こそ6.2%だったものの、時間枠移動の影響もあり平均視聴率は2.75%と低迷しています。

 初代から『ZZ』までのシリーズ作が放送されていた時期はまだ家庭用ビデオデッキの普及率が低かったのですが、『V』から『X』の時期には一般家庭にも普及が進んでおり、視聴者の年齢上昇に伴い夕方の外出も多くなるため、視聴率の低下は避けられなかったと考えられます。

 また、当時のテレビ朝日は外資とベンチャー企業による敵対的買収を受け混乱していた時期にあたり、この問題が『ガンダムX』を直撃したとも言われています。

 ただし、シリーズ構成と全話の脚本を担当した川崎ヒロユキ氏によると、半年分の物語を3か月分にまとめ、完結まで持っていくことには成功したそうです。本作ならではのニュータイプ描写と解釈も最後まで描かれ、生き残ったキャラクターたちが次の人生に向かって歩みだす部分もきちんと描写されていました。

 混乱こそあったものの、ガンダムシリーズにふさわしいクオリティが保たれていることは間違いありません。もし機会があれば、ぜひ見てほしいと自信を持って推薦できる作品です。

(早川清一朗)

 

【画像】『ガンダムX』で印象的だった「ゲテモノガンダム」「サテライトキャノン」(5枚)

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