マグミクス | manga * anime * game

「フリーザ役」の声優・中尾隆聖さんが「滝のような汗を流して演じる」キャラとは?

ばいきんまんとフリーザだけでない、中尾さんの印象的なキャラ

 こうした活躍のなか、中尾さんの声と名前をファン以外にも知らしめたのが、前述の「ばいきんまん」です。

 ばいきんまんといえばダミ声で有名ですが、この声で演じるきっかけは、前述したぽろりにありました。中尾さんとしては、「視聴者が重なる子供向け番組で、同じ声で一方が主役で一方が悪役だと、子どもが混乱してしまう」と考えたそうです。そこでばいきんまんは思いっきりダミ声で演じました。

 しかし、後に「こんな長寿番組になるとは思わなかった」と心境を吐露しています。それほどばいきんまんのダミ声は喉への負担が大きく、肉体へのダメージも半端ありません。共演者からも「出番の多いときの中尾さんは滝のような汗をかきながら演じている」という発言もありました。

 これに関して、中尾さんは「こんなことならもっと楽な声にすればよかった」と冗談交じりで言っているそうで、プロフェッショナルとしての意識の高さがわかるエピソードです。

 もう一方のフリーザも、中尾さんのはまり役として一躍有名になりました。フリーザは時代劇に出てくる公家のイメージだったそうで、あの落ち着きながらも時折見せる重圧感は確かにそう感じさせます。

 孫悟空と同じ顔のキャラはすべて野沢雅子さんが演じているのと同様に、実は中尾さんもフリーザの父親であるコルド大王以外のフリーザ系のキャラを演じていました。アニメではクウラ、フロスト、チルド、ゲームではクリーザなどを演じています。

 また、フリーザというとCMでの出演も多くありました。『ドラゴンボール』関係のCMはもちろん、コンピューター関係やお寿司屋さん、清涼飲料水など、中尾さんでなくフリーザとしての出演は、それだけキャラが認知されている証拠なのでしょう。

 このフリーザの演技が評価され、2016年に中尾さんは第25回日本映画批評家大賞・アニメ部門最優秀声優賞を受賞しています。

 ばいきんまんとフリーザを演じたことから悪役のイメージが強くなった中尾さん。確かに『スイートプリキュア♪』(2011年)のノイズ、『ONE PIECE』(1999年~)のシーザー・クラウンといった悪役を演じています。

 しかし、一方で『トッポ・ジージョ』(1988年)のトッポ・ジージョ、『楽しいムーミン一家』(1990~1991年)のスニフ、『ザ・ドラえもんズシリーズ』(1995~2002年)のエル・マタドーラ、『サンリオキャラクター』のハンギョドンといったマスコットキャラも多く演じていました。このことから考えても、中尾さんの演技力の幅の広さがわかるというものです。

 今年2022年10月からの放送が予定されている『BLEACH 千年血戦篇』では、ふたたび涅(くろつち)マユリを演じる予定ですから、あのイカれた演技をふたたび見せてくれることでしょう。とても楽しみで仕方ありません。

 中尾さんには、これからもさまざまな演技で我々を楽しませていただければと思います。それではあらためて、中尾隆聖さん、お誕生日おめでとうございます!

(加々美利治)

【画像】コンビニでも聞こえた、中尾隆聖さんの印象的な声

画像ギャラリー

1 2 3

加々美利治関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

アニメ最新記事

アニメの記事をもっと見る