『機動戦士ガンダム』ジオン残党軍がたどった軌跡 遠い「火星」で不毛な争いも…
『機動戦士ガンダム』の結末で語られたとおり、宇宙世紀の0080年1月1日に地球連邦政府とジオン共和国は終戦協定を締結し、多くの犠牲を出した「一年戦争」は終結しました。しかしながら多くのジオン軍将兵が降伏を拒否して残党と化し、さらに多くの戦いが繰り広げられました。
地球に潜んで死闘を繰り広げた残党たち
『機動戦士ガンダム』で描かれた「一年戦争」を経て、連邦とジオンの戦いは決着がついたかに見えましたが、多くジオン軍の将兵たちは降伏を拒否し、のちの作品でさまざまな戦いを繰り広げています。
●「星の屑」作戦を支援した「ノイエン・ビッター隊」
『機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY』の4話に登場したノイエン・ビッター隊は、地球攻撃軍第3地上機動師団 東アフリカ方面キンバライド基地所属司令であるノイエン・ビッター少将が、ジオンの残存兵力を集めて編成した残党軍です。
「武人の鑑」と称されるビッター少将は、一年戦争終結後もキンバライド鉱山の地下に設けられた基地で地球連邦に対する抵抗運動を続けており、0083年の「デラーズ・フリート」の決起に呼応し、星の屑作戦への支援を行いました。
GP-02とともにキンバライド基地へと到着したアナベル・ガトー少佐を快く迎えたビッター少将は、「星の屑」作戦の詳細を尋ねることもなく最後に残ったHLVを提供し、ガトー少佐とGP-02を宇宙に上げようと尽力します。しかし不慮の出来事から打ち上げ直前のタイミングで基地の場所をアルビオン隊に悟られてしまったために、残存兵力のドム・トローペンとザクFII型を率い、HLV発射までの時間を稼ぐために出撃しました。
アルビオン隊が装備する高性能なモビルスーツの前に部下を次々と失いながらも、自身は専用の「MS-06F-2 ザクII」にラケーテン・ガルゲン(ロケット・ブースター)を装備しアルビオンのブリッジに肉薄しますが、コウ・ウラキ少尉が登場するGP-01に狙撃され、あえなく戦死を遂げます。
しかし、ビッター少将のわが身を犠牲にした作戦によりHLVは打ち上げに成功、「星の屑」作戦は成就に向けて大きな山場を越えることとなりました。また、少将の戦死後にキンバライド基地は降伏し、アフリカでのジオン勢力は大きく減少することとなりました。
●最新鋭のガンダムを苦しめた「青の部隊」
「青の部隊」は『機動戦士ガンダムZZ』の30話・31話に登場したジオン残党軍です。ヨーロッパ人からのアフリカ解放を掲げた「アフリカ解放戦線」の一部隊であり、サハラ砂漠西部で活動するトアレグ族の血を引くメンバーで構成されています。
保有するモビルスーツであるディザート・ザク、アイザック、ゲルググはいずれもトアレグ族にとって神聖な色である「青」に塗られているのが大きな特徴です。確認できた限りでは、ディザート・ザクとゲルググは全周囲モニターを装備しており、旧式機を運用し続けていたわけではなく、レプリカ機を入手したとされています。
作中ではディザート・ザクでウェイブライダー状態のZガンダムに飛び乗り砂漠へ落とすなど奮闘しますが、最終的にはあえなく全滅の憂き目に遭っています。