映画『アンチャーテッド』から紐解く、有名声優の「吹替出演」 ひと味違う芝居を楽しめる?
トム・クルーズ公認の吹替声優
●森川智之のおすすめ吹替作品:『アイズ ワイド シャット』

アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の吉良吉影役や、『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役(藤原啓治の後任で2代目)など、さまざまな作品で知られる森川智之さん。『アンチャーテッド』ではマーク・ウォールバーグ演じるビクター・サリバン役の吹替を担当し、ネイトの師匠であり相棒でもある存在を、どこかつかみどころのない雰囲気で演じています。
森川さんはユアン・マクレガーやアダム・サンドラー、キアヌ・リーブスなど多くの俳優の吹替をほぼ専属で担当しており、特にトム・クルーズに関しては『ラストサムライ』(2003年)以降、トム本人に公認されたことで専属担当となりました。
特にトムの吹替を担当するきっかけとなった『アイズ ワイド シャット』(1999年)では、紳士的で純粋が故に欲望に翻弄されていく男性を好演し、小さな呼吸のひとつにまでこだわったリアルな演技を披露しています。それ以外にも、心地良く響く硬質な低音で、爽やかな好青年から二枚目のイケメン、お調子者のキャラクターまで演じ分ける声優です。
●村瀬歩のおすすめ吹替作品『ダニエル』

アニメ『ハイキュー!!』の日向翔陽役や、『魔入りました!入間くん』の鈴木入間役で知られる村瀬歩さん。男性だけでなく女性の声も演じるほど音域と演技の幅が広い村瀬さんですが、吹替の現場では少年役が多く、今回の『アンチャーテッド』や『アクアマン』(2019年)では主人公の少年期を演じています。『アンチャーテッド』で担当したティエナン・ジョーンズ演じる少年時代のネイト役の吹替では、兄とともに盗みを働こうとするほど好奇心旺盛な少年の、可愛らしくも芯の強さを感じさせるような雰囲気を醸し出していました。
そんな村瀬さんは、スリラー映画『ダニエル』(2021年)の公開記念特別映像では、マイルズ・ロビンスの吹替を担当し、主人公のひとりであるルークによるナレーションと、緊張感に満ちた台詞に声をあてました。緊迫する場面での息遣いが巧みで、見聞きしているこちらがハッと息を呑むような瞬間が訪れます。
アニメとはひと味違った声優たちの演技を感じることができる洋画吹替版。映画がTV放送された際には劇場版と違う声優が起用されることもあり、さまざまな楽しみ方ができると思います。声優ファンの方も、「洋画は字幕派!」という方も、吹替版で声優の演技に注目してみてはいかがでしょうか。そして、現在公開中の『アンチャーテッド』も、ぜひ吹替で見ていただきたい一作です。
(椎崎麗)