トラウマ描写? 超悪フザケ? いろんな理由で「R指定」になった衝撃アニメ映画
実写では描写できないような「エログロシーン」を活かした劇場版アニメは、やむを得ずR指定になってしまうことも少なくありません。大人だからこそ楽しめる、そんなトラウマ級のアニメ映画は深く記憶に残る人も多いようで……?
可愛い絵柄に油断する人が続出!
日本では特にヒット作が多く、毎年の興行収入ランキングの上位に入ることが多いアニメ映画には、セクシャルな表現やバイオレンスな描写で、「大人向け」にカテゴライズされる作品も多く存在しています。そのなかには、さまざまな理由で「R指定」となり、「大人向け」から「大人しか観られない」作品になってしまったものもありました。
●『パーフェクトブルー』
国内外で高く評価されるアニメーター・今敏監督の初長編アニメーションとして知られる『パーフェクトブルー』は、アイドルから女優に転身した主人公が精神的に追い詰められていく過程を描いたサイコホラー作品です。アニメでサイコホラーを描くことが主流ではなかった1990年代後半、同ジャンルの洋画で描かれるのは「犯人の異常性」が中心でしたが、同作では「被害者の内面の崩壊」にスポットを当てています。
主人公が経験する環境の変化や、現状への不満から生まれる漠然とした不安によって、現実と虚構の境界が曖昧になっていくアニメならではのアプローチで、観客を鳥肌が立つような恐怖へと陥れました。性描写やグロテスクな表現からR15指定となったため、地上波で観ることはできませんが、衝撃的な終盤の展開含め、コアなアニメ好き、映画好きからも支持されるトラウマ級の傑作です。
●『メイドインアビス 深き魂の黎明』
Webコミック配信サイト「WEBコミックガンマ」にて不定期連載中の『メイドインアビス』(原作:つくしあきひと)はTVアニメシリーズが人気を博し、第1期の続編として劇場公開された『深き魂の黎明』がt暗れましたが、同作はR15指定となりました。2020年1月17日の映画公開前の2019年12月25日に、当初のPG12指定から「映画倫理機構による最終的な検定の結果」で、レイティングが変わったことが発表されています。
「人類最後の秘境」と呼ばれる巨大な縦穴「アビス」に挑む少年少女の姿を描いた同作は、可愛らしい絵柄からは想像のできない過激なグロ、ゴア、エロ描写が特徴的です。アビスの下層に降りれば降りるほど、上昇時に起こる「アビスの呪い」が強くなり、身体への負荷がかかるという設定から、全身の穴から血が噴き出す、人の姿を保てなくなる、最悪の場合は死に至るといった、衝撃の展開が待ち受けています。
また、『深き魂の黎明』で描かれたエピソードからは、ボンドルドという非人道的なキャラクターが本格的に物語に関わってきました。「呪い」による残虐な表現だけでなく、ボンドルドから子供に対する卑劣な所業が描かれ、より酷たらしい描写が増えています。かわいらしい少年少女たちが悲惨な目に遭うため、観る人を選ぶ作品であることは否めませんが、残酷な世界を生きる彼らの物語には、強い信念や尊い輝きが詰まっています。