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恐怖? 衝撃? 大人もびっくりのトラウマ級アニメ映画 「R指定も納得」

実写では再現できない、描写できない表現によって「大人向け」と評されるトラウマアニメ映画の数々……そう呼ばれる所以とは一体? 衝撃的な作品を振り返ります。

トラウマ級の衝撃が癖になる?

映画『パプリカ』の場面カット (C)2006 MADHOUSE / Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.
映画『パプリカ』の場面カット (C)2006 MADHOUSE / Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.

 実写では描写できないような恐怖や衝撃を表現したアニメ映画は、時に全年齢向けとしては扱えず「大人向け」と評されることもあります。R15、R18指定とまではいかず、PG12指定(12才未満および小学生の観覧には、親又は保護者からの助言や指導が必要)の作品もありますが、それでも「子供が見て大丈夫?」となる作品は多々ありました。

 2023年夏に上映開始され、拡大公開が続いているチリ発の長編ストップモーションアニメ『オオカミの家』は、ふたり組監督のレオン&コシーニャが手掛けており、レーティングこそG(全年齢向け)に指定されていますが、かなりホラー色の強い作品です。

 ストーリーが進むとともに、不気味な等身大の人形や壁の絵が構築されては破壊されていく様まで、すべてが画面にとらえられている独自の手法が使われています。ストップモーションアニメながら全編ワンカット風に進む物語、悪夢のようなような世界観、凄みのある独特の映像で注目を集めています。

 チリのピノチェト軍事政権下に実在したコミューン「コロニア・ディグニダ」からインスピレーションを得たという同作は、チリのとある施設から脱走し、森のなかで見つけた一軒家に暮らすようになった少女・マリアと、そこで出会った2匹の子ブタをめぐる物語です。一軒家で起こる不思議な出来事や、全編通して漂う不穏な閉塞感には、言葉にし難い漠然とした不安が付きまといますが、いつの間にかその世界に惹きこまれてしまうような熱量がありました。

 異常なまでの手間暇をかけて作られた『オオカミの家』は業界関係者からの支持も厚く、なかでも、ホラー映画『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』で知られるアリ・アスター監督は本作を絶賛し、レオン&コシーニャと意気投合したことから、同時上映の短編作品『骨』のエグゼクティブプロデューサーも務めています。

 その他、「大人向け」のアニメといえば、国内外で高く評価されるアニメーター・今敏監督の映画を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。代表作のひとつである『パプリカ』は、夢と現実が入り乱れる狂気的な世界観に驚かされる作品です。主人公のサイコセラピスト・千葉敦子は他人と夢を共有できる「DCミニ」という装置を使い、夢の中での別人格・パプリカとして患者の夢へ入り込み、悪夢の原因を探るなどの治療をしていました。しかし、何者かに「DCミニ」が盗まれてから、狂ったイメージに犯された夢の世界で戦うことになります。

 サイケデリックな映像美と癖のあるキャラクターが強く記憶に残る『パプリカ』ですが、特に印象的なのが「パレード」のシーンです。人形やマネキン、家電製品や自動車、鳥居、自由の女神、たぬきの置物、楽器を持ったカエルなど、あらゆる無機物が行進を続け、砂漠、森、橋を渡り、やがて人のいる都会へ到達し、楽器は鳴り続け、紙吹雪が舞い……と、文字に起こすと一層何が起こっているのか分からない混沌とした数分間が存在しています。

 音楽を担当した平沢進さんの楽曲も浮世離れした雰囲気があり、そのあまりの情報量の多さに、理解しようとすればするほどドツボにハマっていく不気味さがありました。見ているとなぜか不安になってくる人間の表情(特に笑顔!)も相まって、脳に直接流れ込んでくるようなイメージの波に溺れてしまいそうになる1作です。

【画像】ポスターだけでもう何か怖いッ!トラウマ級のアニメ映画(5枚)

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