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すでに死語になった「マルチメディア」の意味 人の可能性を拡大させる存在

マルチメディアは人の可能性を拡大させる

『ファイナルファンタジーVII』とともに大ヒットしたPlayStation(ソニーインタラクティブエンタテインメント)
『ファイナルファンタジーVII』とともに大ヒットしたPlayStation(ソニーインタラクティブエンタテインメント)

 なぜ、マルチメディアは1990年代に普及したのでしょうか。この大きな理由としては、1995年にビデオやオーディオの標準規格であるMPEG-2(エムペグツー)が策定されたことが挙げられます。MPEG-2は高精細度テレビジョン放送であるHDTVなどを想定した企画であり、デジタル放送や情報の記録などさまざまな用途に利用されている汎用性の高い規格となっています。

 さらに、1999年には低ビットレートでの使用を想定したMPEG-4も規格化され、iPodやPSPといった携帯端末が対応したことにより爆発的な普及を見せ、現在ではスマホでもしばしば使用されています。

 そして1990年代には、コンピュータの性能が大きな向上を見せたのもマルチメディアが普及した大きな要因です。特に業務用コンピュータを手掛けるシリコングラフィックス社のワークステーションは性能が高く、映画やゲームの制作に使用され映像のクオリティは飛躍的な進歩を遂げました。ゲーム機やパソコンにCD-ROMが搭載されるのは当たり前の光景となり、『ファイナルファンタジーVII』など動画と音声を組み合わせた映像表現が大きな人気を獲得したのです。

 何より、アナログ形式で記録されていた情報をデジタル化することで統一した機材で記録・再生することができるようになったのは、情報の加工と伝達が容易になったことを意味します。かつて、クリエイターとして活動できる人間は特別な機材を持つごく一部の人だけでした。しかし今は、パソコンやスマホ、アプリと熱意さえあれば、誰でもクリエイターになり、多くの人に見てもらうことができるようになりました。

 もしかしたらマルチメディアとは、人の可能性を大きく押し広げる、礎(いしずえ)のような存在なのかもしれません。

(早川清一朗)

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