『ガンダム』ザクIとザクIIって何が違うの? 地味にスゴい3つの進化ポイント
一年戦争を席巻したザクIIのバリエーションたち

ザクIIは安定した性能と拡張性の高さによって、多くの運用目的別バリエーション機が輩出されます。F型をベースに、エンジンの高出力化による機動性を向上したカスタムタイプのS型が登場。その後、さらなる機動性を得るために脚部と背部を、推進力を強化したものに変更した「高機動型ザク」とも呼ばれるR型は、多くのエースパイロットが愛用したことでも知られます。
地上用のJ型は、地球での局地運用のために、大幅な外装形状の変更を行ったタイプが多数誕生していました。砂漠地帯での運用性を向上すべく、冷却機能の向上、関節部にシーリングが施され追加武装などを取り付けた「デザートザク」とも呼ばれるD型。対空攻撃仕様として背部に大型の対空キャノン砲を搭載した「ザクキャノン」と呼ばれるK型。水中での運用を前提に外装を全面的に変更し、脚部や背部には水中用の推進機が取り付けられた「水中用ザク」と呼ばれるM型などが生産されています。
その他、J型は地上での戦闘能力を高めたMS-07Bグフの開発のベースとなり、宇宙ではR型をベースに機動性と運用性を継承した、ザクIIに続く次期主力量産機となるMS-14ゲルググが誕生することになります。
こうした発展史を振り返ると、ザクIIがいかに量産型MSの原点として優秀な機体だったかがわかります。もちろん、ザクIは量産開始後すぐに旧型の機体になってしまったものの、基礎的な完成度の高さがザクIIの誕生に至ったことを考えれば、どちらの存在も軽視することができない絶対的な「始祖」であったことは間違いないでしょう。
(石井誠)