「ガンダムの下位互換」はホント? 評価低めの「ジム」こそ「MSの完成品」と言えるワケ
戦いはやっぱり「数」?

それでも、あの高性能なガンダムの量産型がジムと言うのはやっぱり納得がいかないかもしれません。なるほど、ではモビルスーツにとって最も大事な性能とは何でしょうか。機動兵器なのだから機動性は欠かせません。時代が求めるマルチロールな活躍ができる汎用性も当然必要になります。
ですが、これに優先されるものがあります。それは、コスパです。
基本的に戦争では「点」より「面」が重視されます。ピンポイントで強い少数の精鋭戦力より、そこそこの範囲を広くカバーできる程々の戦力の方がベターである、ということです。
特に戦争で攻め込まれている側からすれば「こっちを対処すればあっちが対処できない」といった事態になりかねない少数の戦力は、例えどれだけ強かろうと使い物になりません。
そのため、兵器にとっては数が用意できるということ、すなわち「生産性」はそれだけで最強のステータス足り得るのです。物量こそが正義、戦いは数だよ兄貴。
なお、戦いでは、敵陣を一点突破して少数精鋭が本丸へ突貫、大将首を落とされた敵軍は見事瓦解……という流れもあります。ことガンダム作品においても枚挙に暇がないでしょう。勝つ確率の低い、一縷の望みを託した大博打。負ければ大損、命すら無いようなシーン。だからこそ、心が熱く燃える名シーンも多いですが、そんな状況はコスパや損得勘定の埒外だと言えるでしょう。
もちろんのこと、単純な機体スペックを比べれば、ジムはガンダムに劣っています。ビームサーベルの装備数が少なかったり、エンジンである核融合炉の基数削減、贅沢を極めていた装甲材はルナチタニウム合金から変更されていたりします。
しかしこれは徹底的なコストカットの賜物です。いわば生産性というスペックの向上に他なりません。ガンダム1機という「点」では対処しきれない、「面」を支え続けた多数のジムの存在こそ、真の名機と称するに足り得るのです。
(ひびき)



