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『逆襲のシャア』での問題行動を予見? 妹セイラの「兄に対する注目すべき発言」とは

『機動戦士ガンダム』に登場するセイラとシャアは、兄妹でありながら異なる陣営にいるという複雑な関係性でした。セイラは、兄であるシャアに対してどのような思いを抱いていたのか、作中にあった辛辣なセリフから振り返ります。

復讐に取り憑かれた兄に対する妹・セイラの想い

DVD「機動戦士ガンダム 8」(バンダイビジュアル)
DVD「機動戦士ガンダム 8」(バンダイビジュアル)

『機動戦士ガンダム』はアニメ史に残るロボットアニメの傑作ながら、そのなかで描かれた複雑な人間ドラマも魅力のひとつです。なかでも主人公アムロ・レイの宿敵である「赤い彗星」シャア・アズナブルは、何かと注目を集める人物でした。

 そのシャアこと「キャスバル・レム・ダイクン」と、セイラこと「アルテイシア・ソム・ダイクン」は血のつながった兄妹であり、ふたりの数奇な関係も見どころです。

 この兄妹はジオン・ズム・ダイクンの遺児ですが、シャアはザビ家への復讐を誓ってジオン公国軍に潜入し、セイラは地球連邦軍のホワイトベースに保護され、乗組員として従軍することになります。

 互いに陣営を違えることになってしまった兄妹の関係性がどうなっていったのか、妹セイラのセリフを振り返りながら紹介します。

『機動戦士ガンダム』のなかで、シャアとセイラが再会を果たしたのは第2話の出来事です。サイド7でシャアとセイラは遭遇しますが、この時点では素顔を見ても互いに兄(妹)という確証はもてなかったようでした。

 ですが、その後セイラは何度もシャアと鉢合わせるなかで、相手が「キャスバル兄さん」だと確信します。一方、シャアは「おまえに戦争は似合わん」と妹セイラに助言し、大量の金塊を渡して連邦軍から身を引いてほしいと伝えました。

 シャアが、金塊入りのトランクとともにセイラに宛てた手紙には「キャスバル・レム・ダイクンより愛を込めて」という兄としてのメッセージがあり、その真意を悟ったセイラは兄との思い出を振り返りながら涙を流しました。

 しかし、兄の言葉を無視してホワイトベースに残る決意を固めたセイラは、シャアとの関係をブライト・ノアに打ち明けます。そのときセイラは「できもしないことをできると信じている兄を思うと、刺し違えてもいい」「兄は鬼子です」と辛辣な言葉を投げかけました。

 こうしてセイラは、父の望みを歪めて受けとめ、復讐にとらわれた兄と完全に決別します。

 その後のシリーズではセイラの出番は減りましたが、『機動戦士Zガンダム』のなかでダカールで演説をしているシャアの映像を悲しげな表情で見ている姿が描かれています。

 さらに『機動戦士ガンダムZZ』の最終話付近に登場したセイラは、主人公ジュドー・アーシタと妹リィナの再会の場面に立ち会っています。ジュドーとリィナという仲睦まじい兄妹を、セイラはどんな心境で見ていたのでしょうか。

 その後、ブライトから現在のシャアの不審な行動について聞いたセイラは「そんな兄は見たくありません」「いっそ死んでくれれば…」とまで発言しました。

 かつて「キャスバル兄さん」と呼んでいた優しい兄が、いまだに己の野心にとらわれていることに失望し、厳しい言葉で拒絶することで平静を保とうとしていたようにも思えます。

 また、セイラはこのブライトとのやりとりのなかで「兄は、なにか宇宙の意志のようなものに従わねばならないと思っているんです」とも発言しており、これは『逆襲のシャア』での兄の行動を予見していたようにも受けとれました。

 そういう意味では作中で誰よりもシャアの本質を理解し、見抜いていたのは、肉親であるセイラだったのかもしれません。

(マグミクス編集部)

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