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一度見たら忘れない衝撃「アニメOP」の逸話 「何度聞いても草」「もはや伝説」

衝撃のクオリティによって伝説となったオープニング

TVアニメ『魔法騎士レイアース』ビジュアル (C)CLAMP・ST/講談社・TMS
TVアニメ『魔法騎士レイアース』ビジュアル (C)CLAMP・ST/講談社・TMS

 最後は少し路線を変えて、王道の内容ながらクオリティが高すぎたため、「トンデモ」要素が生まれてしまったオープニングを紹介しましょう。それは1995年に放送された『魔法騎士レイアース』第2章の後期オープニングです。

 その映像は女性アーティスト・田村直美さんが歌唱する「光と影を抱きしめたまま」に乗せ、「魔法騎士」たちの変身シーンや戦闘を描くものでした。これだけ聞くと普通の映像だと思われるかもしれませんが、異常なほどに作画がよく、ヌルヌルとした動きになっていたため、「鳥肌もの」「神作画中の神作画」と評されています。

 しかも当時のアニメはCG技術などが使われておらず、ほとんどが手書きのセル画で制作されていました。そんななか、同オープニングに使用されたセル画の枚数は驚愕の約6000枚とのことです。これはアニメの約2話分に相当する数であり、たった90秒の映像としては異例中の異例といえるでしょう。

 ちなみに当初はさらに枚数を増やして動かす予定だったようで、設定資料集に掲載されている絵コンテを見ると、ランティスとイーグルが背中合わせに映る場面には、髪やマントをなびかせるよう指示が書き込まれていました。もし本当にそこまで動かしていたら、アニメーターの方々は限界を超えていたかもしれません。そう考えると、6000枚という異常な枚数ですら英断といえそうです。

 意外な発想や血の滲むような努力も相まって、視聴者に強烈なインパクトを残したオープニング映像の数々は今もファンの心に残っています。その歴史は、未来のアニメファンへと語り継がれていくことでしょう。

(ハララ書房)

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