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アムロにとっての「一番長い日」とは? 当時15歳の少年が体験した戦争の恐怖

『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイにとって初陣となったサイド7の戦いと、黒い三連星との決着をつけたオデッサ作戦では、素人上がりの少年とは思えないほどの重責を背負わされました。アムロにとってもっとも厳しい1日はどちらだったのでしょうか。

あまりにも長く厳しい「初陣」

物語冒頭、過酷な運命をたどったアムロ(右)は、フラウ(左)と支え合いながら危機をくぐり抜ける。画像は映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』より、アムロ・レイ(右) (C) 創通・サンライズ
物語冒頭、過酷な運命をたどったアムロ(右)は、フラウ(左)と支え合いながら危機をくぐり抜ける。画像は映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』より、アムロ・レイ(右) (C) 創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイは主人公の宿命か、ときおりとんでもない連戦を強いられます。なかでも初陣となった「サイド7」の戦いと、黒い三連星との決着をつけた「オデッサ作戦」では、素人上がりの少年とは思えないほどの重責を背負わされました。果たしてどちらがアムロにとって厳しい1日だったのでしょうか。

 アムロにとって極めて長い1日となったのが、1話から2話にかけての展開です。コンピュータの組み立てに没頭していたアムロはジオン軍の襲撃を受けてフラウとともに避難しますが、父親のテムを探しに行こうとしてザクIIの攻撃に巻き込まれ、爆風と破片を浴びながらもガンダムのマニュアルを手に入れます。この時点で一般人なら戦意喪失していてもおかしくはありませんが、そこはアムロですね。

 やっとのことでテムを見つけるも、避難民よりガンダムを優先するテムの言葉に激高するアムロですが、結果として正気の父親と話す最後の機会となりました。

 ここからはさらに怒涛の展開となり、フラウの母親とおじいさんが死亡した光景を目の当たりにし、フラウを励まして送り出してからガンダムに乗り込みます。知人が目の前で死んだショックは計り知れないものがあったでしょう。

 安室はここからザクIIを2機撃破して目の前の敵をせん滅しますが、戦いの恐怖と緊張感から来る疲労はかなりのものだったに違いはありません。

 続く2話で、アムロはそのままガンダムに乗り続け、まず爆発の破片に巻き込まれそうになったフラウたちを救います。その後はブライトの指示でガンダム関係の部品輸送やガンタンクの搬入、シャアと遭遇したセイラを救出し、使えないモビルスーツの部品をスーパーナパームで処分するなど、働きづめの状態が続きます。さらに、逃亡するシャアを始めとするジオン兵を撃とうとしてできず、精神的にかなり消耗してしまいます。

 ここまでの働きを見れば、並の人間なら既にダウンしていてもおかしくないでしょう。とんでもない体力と精神力です。

 続いてのシーンでは、ホワイトベースの出港を援護するなかで、二度目の実戦になだれ込みます。まずムサイから放たれたミサイルを狙撃し、シャアとスレンダーのザクと交戦し、スレンダーを撃墜してシャアを撤退に追い込み、ようやく長い長い1日を終えました。

 なお、ここまでアムロが口にしたのはフラウが作ってくれたサンドイッチだけ。食べていなければ持たなかった可能性もあるので、地味にフラウの働きが大きいシーンでした。

オデッサの激戦も非常に長い

「オデッサ作戦」でのアムロは、ガンダムとGファイターの合体形態「Gアーマー」のテストから長い1日が始まる。画像は「MG 1/100 Gファイター (ガンダムVer.2.0用 V作戦モデル)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「オデッサ作戦」でのアムロは、ガンダムとGファイターの合体形態「Gアーマー」のテストから長い1日が始まる。画像は「MG 1/100 Gファイター (ガンダムVer.2.0用 V作戦モデル)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 25話「オデッサの激戦」も、アムロはかなり長い1日を過ごします。24話でマチルダさんを失った哀しみも癒えぬまま、アムロたちホワイトベースのクルーは地球連邦軍とジオン軍の一大決戦、オデッサ作戦に臨みます。

 かつてマチルダさんが運び込んでくれたGアーマーをテストしていたアムロとセイラは、ジオン軍の大型陸戦艇ダブデの付近から連邦軍の航空機が離陸する瞬間を目撃し、スパイの可能性を疑い追跡を開始します。

 航空機はそのまま連邦軍のビッグトレーへと着艦。アムロたちも着艦し、船内へと乗り込みました。司令官のひとりであるエルラン中将に面会したアムロはスパイの存在を伝えるも、実は中将は既にジオンに寝返っており、アムロの殺害を試みますが、レビル将軍が送り込んでいた情報将校に救われ難を逃れます。至近距離で銃撃を受けたこのシーンは、アムロにとって最高ランクの危機でもありました。

 解放されたアムロは戦線へと戻ってハヤトのGスカイイージーとともにガイア、オルテガのドムと交戦し、オルテガを撃破します。しかしここで追い詰められたマ・クベが水爆ミサイルを使用したため、なんとアムロとハヤトが迎撃する羽目に。とんでもない貧乏くじです。まとわりついてくるガイアをかろうじて撃破したアムロはハヤトとともに水爆ミサイルに向かい、破壊に成功。こうしてオデッサ作戦は連邦軍の勝利に終わったのです。

 機体のテストからスパイの摘発、ドム2機の撃破に水爆ミサイルの破壊と、アムロにとって実に厳しい1日となりました。

 アムロにとって、実戦初日とオデッサ作戦、どちらが長い1日なのかは判断しづらいところです。しかし戦闘に巻き込まれ隣人の死を目撃した挙句、ガンダムに乗っている間は働きづめで3機のザクを撃破した初日の方が、長く感じられたのではないかと思われます。15歳でこんな経験は、できればしたくないものです。

(早川清一朗)

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早川清一朗

アニメライター。40年来のアニメ好き&漫画乱読者で、なんとなく始めたライター生活も気付いたら20年以上が経過。別名義でシナリオライターとしても活動中。趣味は釣りと酒に銭湯巡り。大好物は自分で釣ったハゼの天ぷら。

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