マグミクス | manga * anime * game

2026年冬に復活した往年の名作アニメ←令和の“コンプラ”にどう対応した?

価値観のアップデートが求められる現在、TVアニメを取り巻く表現規制はかつてより厳しさを増しています。以前なら問題にならなかった描写が、いまではアウトと判断されるケースも少なくありません。そんななか、2026年冬アニメで蘇った懐かしの名作たちは、令和のコンプライアンスとどのように向き合っているのでしょうか?

令和ではどうなった? 冷越豪の「飲酒キャラ」

画像は、アニメ『ハイスクール!奇面組』ティザービジュアル (C)新沢基栄/集英社・奇面組
画像は、アニメ『ハイスクール!奇面組』ティザービジュアル (C)新沢基栄/集英社・奇面組

 アニメ業界では近年、昭和・平成の名作が、リメイクや続編という形で再び動き出すケースが目立っています。そこで避けて通れないのが、現代のコンプライアンス(コンプラ)意識です。かつては許されていた表現が、いまでは問題視されることも少なくありません。そんななか、2026年冬アニメで復活した往年の名作は、令和の価値観とどのように向き合ったのでしょうか?

●一升瓶は「命の水」に、タバコは「シガレット菓子」に

 まず注目したいのが、アニメ『ハイスクール!奇面組』(作:新沢基栄)です。「一堂零(CV:関智一)」率いる名物集団「奇面組」が、個性豊かな仲間たちとともに騒動を繰り広げる物語で、1985年にも一度アニメ化されています。

 奇抜な顔立ちや振る舞いを「個性」として受け入れ、マイノリティの存在を肯定的に描いた本作には、強烈なキャラクターが数多く登場し、作品全体に勢いのある笑いを生み出していました。一方で、現在のコンプライアンス基準で見ると、扱いが難しい要素も含まれています。

 例えば奇面組のメンバー「冷越豪(CV:武内駿輔)」は実家が酒屋で、学生ながら酒好きという設定のキャラクターです。2025年10月公開のイメージMVでは、飲酒と捉えられるシーンも見られましたが、アニメの初回では一升瓶を「命の水」と称し、豪本人がコンプラに言及する演出が取られていました。

 同じくコンプラ面への配慮が見られたのが、スケバン集団「御女組」のリーダー「天野邪子(CV:M・A・O)」です。原作マンガでは「くわえタバコ」がトレードマークでしたが、令和版では「ココアシガレット」に変更されていました。なお、1985年版アニメでも喫煙シーンは描かれておらず、当時から慎重な扱いが求められていた表現だったことがうかがえます。

 ほかにも「一堂零」を三輪車に乗せて校庭を引き回す場面は1985年版とは異なり、木に衝突しない形へと改められました。ただし、奇面組らしいハチャメチャさが失われたわけではありません。無茶苦茶な行動をとる彼らに対し、教師の「伊狩増代(CV:日笠陽子)」がバイオレンスなツッコミを入れる構図も健在で、往年のテンポ感はしっかりと受け継がれています。

●80年代より残虐、さらにコンプラアウトソングも

 一方で、旧作よりも「攻めた表現」を選んだのが『鎧真伝サムライトルーパー』(作:矢立肇)です。本作は1988年に放送された『鎧伝サムライトルーパー』の続編にあたり、封印から解き放たれた邪悪集団「妖邪」と、若き新星「サムライトルーパー」たちとの戦いが描かれます。

 前作は夕方放送だったこともあり、過度な残虐描写はそこまでなく、キャラクター同士の関係性や成長を描く青春群像劇としての側面が色濃い作品でした。また、のちにメイン声優陣によるユニット「NG5」が結成されるなど、多くの女性ファンを獲得したことでも知られています。

 それに対し、現在放送中の『鎧真伝サムライトルーパー』では、初回から「妖邪」による侵攻が描かれ、女性や子供も区別なく命を奪われていくなど、残虐な描写が前面に押し出されていました。さらに、その場面で流れたBGMが、いわゆるコンプラアウトソングとして知られる「おニャン子クラブ」の「セーラー服を脱がさないで」であったことも、大きな話題を呼んでいます。

 ネット上では「80年代版より令和版のほうが残虐なのすごい」「『鎧真伝サムライトルーパー』が令和のコンプラに真っ向勝負してる(笑)」といった声もあがっていました。

 令和という名の「コンプラ時代」に復活した数々の名作たちは、最終的にどのような評価に落ち着くのか、今後の展開にも注目が集まりそうです。

(ハララ書房)

【画像】え、「この人が?」「大物すぎる」こちらは現役アイドルが演じる『奇面組』の”色男”です

画像ギャラリー

ハララ書房

エンタメ記事専門の編集プロダクション。漫画・アニメ・ゲームはもちろん、映画やドラマ、声優にも精通。メイン・サブを問わず、カルチャーの最前線を追いかけていきます。

ハララ書房関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

アニメ最新記事

アニメの記事をもっと見る