『フリーレン』は「理想のアニメ化」? ファンが絶賛するアニオリ描写とは
アニメ第21話では一瞬のアニオリ演出が話題に

また、2クール目から始まった「一級魔法使い試験編」の一次試験でも、とあるアニメオリジナル描写がファンの間で話題になりました。
第21話「魔法の世界」でフリーレンが彼女の師匠のさらに師匠であるゼーリエの結界を破ったときのことです。原作では結界の解析を終えたフリーレンの手から光が縦に伸び、結界を破りました。アニメでも同じように結界を破るのですが、フリーレンの手から光が放たれる前に一瞬だけゼーリエのシルエットが映るのです。
この見逃してしてしまうようなたった一瞬の演出は、コマ割りのマンガでは表現しづらく、映像で流れるアニメでしか表現できないものでしょう。この演出はファンの間で「結界を張ったゼーリエを描くことで、彼女の魔法を解析したことを表しているのではないか」と、ささやかれ、話題となりました。
ほかにも、一次試験では視聴者へより伝わりやすくするための工夫が加えられています。
たとえば、第18話「一級魔法使い選抜試験」でフリーレンと同じパーティーになったカンネが夜にひとりで歩いていたときのことです。カンネは物音で目を覚まし、音の正体が雨音だと気が付きます。雨が降っていないのに雨音がすることへ疑問を抱き、上を見上げると、結界によって雨が遮られていることに気付きました。
原作でのこのシーンはカンネが上を見上げるだけで、結界は描かれていません。しかし、アニメでは「降っていないのになんで…」とつぶやいた後に結界が描かれ、雨が遮られている原因がより分かりやすくなっていました。
このように『葬送のフリーレン』では、ストーリーの順番やセリフを変えずに、アニメオリジナルの演出が加えられています。これらの演出がファンから絶賛されるのは、できるだけストーリーの組み替えなどは行わず、原作のイメージを大事にしてほしいという編集部からの要望にスタッフらが真摯に向き合った結果といえるでしょう。
アニメオリジナル演出は賛否が分かれることがありますが、それはストーリーや設定を大きく変えてしまい、原作と大きくかけ離れてしまうことが原因のひとつにあげられます。『葬送のフリーレン』のような原作を大切にしながらも視聴者に配慮したアニメオリジナル演出は、ファンをはじめ多くの人に受け入れられるのではないのでしょうか。
(LUIS FIELD)



