「売り切れ」続出した『ユニコーンオーバーロード』 昔ながらの「王道SRPG」が異例ヒットのワケ
売り上げにも「異変」の兆しが

●品切れが1ヶ月近く続いた『ユニコーンオーバーロード』
『ユニコーンオーバーロード』は発売後すぐに、通常版の入手が困難になります。そうしたなかアトラスは「パッケージ通常版は順次出荷を行っております」と報告しており、ほどなく品切れは解消されると思われていました。
しかし、通常版の品切れは即時解消されるどころか、発売から3週間を過ぎてもなお、店頭では「品切れ中です」の文字を見かけました。入手難に戸惑う声はX(旧:Twitter)を遡っても聞こえてきますし、筆者が個人的に見かけた範囲だけでも、3月28日には「ゲオ」で、4月2日には「古本市場」で、Nintendo Switch向け通常版の品切れを確認しています。
再生産にいくらかの時間がかかるとはいえ、3週間も入荷がなかったとは考えにくいところです。「順次出荷」という言葉を踏まえると、各店舗に随時、入荷したうえで、その分もまた売れて品切れになったと見るのが順当でしょう。
発売直後に通常版が売り切れるだけならまだしも、約1か月にわたって入荷と品切れを繰り返したと思われる『ユニコーンオーバーロード』の勢いは、大作と比較しても遜色ないほど。カジュアル層にリーチしにくいヴァニラウェアの作品としては、まさしく「異例」の展開です。
●発売から1か月で、ヴァニラウェア史上最速の出足を見せる
ヴァニラウェアのヒット作といえば、2019年11月に発売された『十三機兵防衛圏』を思い出す人もいるでしょう。こちらの作品は、全世界累計販売本数が100万本を超えており、見事ミリオンヒットを果たしました。ADV+SLGというジャンルでこの売り上げは、特筆すべきものといえます。
ちなみに『ユニコーンオーバーロード』は、発売から1か月ほどで販売本数が50万本を突破(全世界累計)。この記録を記念する「アコレードトレーラー」も公開され、その躍進ぶりが広く知られました。
単純にこの数字だけ取り上げると、『十三機兵防衛圏』の方が上回っているように思えます。ただ、『十三機兵防衛圏』が売上100万本を記録したとの発表は、2023年8月31日に行われたものです。発売日から4年近くの時間をかけて到達した数字でした。
プラットフォームの展開先が少なく、しかもスイッチ版は時間差での発売となった『十三機兵防衛圏』と、スイッチ/PS5/PS4/Xbox Series X|Sに向けて同時発売した『ユニコーンオーバーロード』とでは、出足の速さが異なるのは当然でしょう。それを加味した上でも、1か月で50万本達成という駆け上がり具合は、ヴァニラウェア史上「異例」と称するほかありません。
●「異例」づくしの『ユニコーンオーバーロード』は、ゲーム性も見事の一言
本作はダウンロード版も配信されているなか、通常のパッケージ版も長く売り切れが続きました。その人気は売り上げにも反映され、大作と肩を並べる販売本数を早くも達成しましたが、その成功を支えた理由はいくつか考えられます。
ヴァニラウェア自体がもともと人気が高く、固定ファンが多かったこと。『十三機兵防衛圏』の成功で、知名度が上がったこと。大作に挟まれつつも、ジャンルが異なっており、ユーザーを上手く掴んだこと。そうした状況も、追い風となりました。
ですが何より重要なのは、『ユニコーンオーバーロード』が高く評価されるに値するゲームだったことです。本作は一般的なSRPGと全く異なり、1戦1戦が非常に短く、このジャンルでは珍しいほどテンポ良くサクサクと進みます。
反面、ユニット同士の相性が非常に重要で、そこから有用な組み合わせを見つける戦略的な醍醐味は、まさにシミュレーションゲーム本来の面白さ。バトルの時間を極力「時短」しつつ、SRPGの手応えを両立させた『ユニコーンオーバーロード』の大胆なゲームシステムこそ、「異例」と呼ぶべきかもしれません。
『ユニコーンオーバーロード』
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(臥待)





