名作が続々映画&ドラマ化! 「ゲーム実写化」の明暗を分ける要素とは?
振るわなかった実写化作品は何が足りなかったのか?
●『モンスターハンター』

『バイオハザード』と同じく、CAPCOMの大ヒットゲームシリーズ『モンスターハンター』も、2020年にアメリカで実写映画化され、翌2021年に日本国内で公開されました。本作については厳しい反応が多く、検索エンジンにかけるとネガティブな関連語がサジェストされるほどです。興行的にも振るいませんでした。
成功した『バイオハザード』と同様にアレンジ要素が強い実写映画化でしたが、明暗を分けたのは残すべき要素の取捨選択かもしれません。原作ゲームの面白さの本質的な部分を見誤った感があります。
ゲーム『モンスターハンター』のファンは、アメリカ軍が異世界転移して巨大な毒グモの群れに翻弄されたり、未開人(トニー・ジャーが演じるハンター。名前は不明)が文明に驚く様子が観たかったわけではありません。これは映画の興行成績から明らかです。
本当は、さまざまな武器を操るハンターや、可愛い「アイルー」(ゲームシリーズでおなじみの猫型キャラクター)が、「ディアブロス」や「リオレウス」などのモンスターと戦うシーンを見たかったに違いないのです。
原作ゲーム『モンスターハンター』の魅力はハンティングである、という点さえ見誤っていなければ、『バイオハザード』と同じように大幅なアレンジをしても成功したように思えます。ディアブロスの突進にぶっ飛ばされて瀕死になったハンターが、回復薬で即座に元気になる描写があっても、『Fallout』の「スティムパック」の描写が受け入れられたように、みんな納得したでしょう。
●2度目で「マリオ」が成功した理由
シリーズ累計5億6000万本を超え「最も売れたゲームシリーズ」としてギネス認定されている『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)も、1993年に公開された実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』の興行成績は厳しい結果に終わりました。おじさん「マリオ」のアクションにはリアルな重力が感じられ、シリーズのアイコンともいえる「キノコ」は菌糸を伸ばして生々しく、「ヨッシー」は小型恐竜そのもの、逆に「クッパ」は人型でした。
ファンは映画でもキノコや「スター」でパワーアップし、軽快に走り回る「ゲームのマリオの世界」を求めていたのです。だからこそ、それらが全部盛り込まれた2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、13.6億ドルもの大ヒットになったのでしょう。実写とフルCGアニメという違いはありますが、明暗を分けたのは表現技法ではなくコンテンツにあると思われます。
これらの傾向からは、マルチメディアに展開する際、作品のエッセンスとなる部分を見抜くことの重要性がわかります。原作者は制作者であるために、かえって自分の作品の良さが見えていないことがあるのです。
ゲームを実写化(映画化)する際は、客観的な評価をリサーチし原作のエッセンスさえ残せば、原作ファンを満足させつつ、新規ファンを獲得できるのではないでしょうか。今後も映画化だけに留まらず、人気作品のメディアミックスは増えていくでしょう。
(レトロ@長谷部 耕平)






