【肉VS鹿】昭和だったら被害者続出の裏番組争い 令和でも問題になるその理由とは?
2024年夏の注目のTVアニメながら同じ時間帯で放送されている『キン肉マン』と『しかのこ』、録画や配信で両方観ることは容易いのですが、意外にも問題となることはそれだけではないようです。
『キン肉マン』と『しかのこ』その戦いの行方は…

2024年夏の新アニメ番組は放送から約1か月が経ち、視聴継続の取捨選択もできた頃でしょう。放映前は「日曜夜11時半のチャンネル争奪戦」という人もいた『キン肉マン 完璧超人始祖編』と『しかのこのこのここしたんたん』はその後、どうなったのでしょうか。
『キン肉マン』は、クオリティの高い作品としてファンからおおむね好評のようです。もともと今回のシリーズ『完璧超人始祖編』は屈指の人気を誇っており、原作ファンにとって待望のTVアニメ化でした。しかもそれだけでなく、実際に放送を観てみると、細かい部分にまで丁寧なスタッフの愛が感じられたのです。
実際、筆者もいくつかの点に注目しました。たとえば第2話で「テリーマン」の試合を見ながら牛丼を食べる「キン肉マン」のシーンです。
ここでキン肉マンが牛丼を食べていたのは、次に備えて腹ごしらえしていたことが語られていました。それはテリーマンの勝利を信じているからです。そして、本来はテリーマンの代わりに試合に駆けつけようとしたことが暗に分かるセリフとなっています。
この部分は、実はアニメオリジナルです。原作マンガではテリーマンを信頼して牛丼を食べるキン肉マンしか描かれておらず、その心情や状況がいまひとつ分かりづらかった部分でした。それをアニメスタッフが、セリフや芝居を加えて分かりやすくしたのです。
第3話でテリーマンに左腕をグルグル回させたのもスタッフのリスペクトでしょう。このテリーマンの癖は幼い頃からのものです。こういったスタッフも『キン肉マン』が好きということの分かる演出が、今後も随所に見られるかもしれません。
一方の『しかのこ』は、まったく別な方向性で話題になっています。2024年5月28日には主要キャラクター「虎視虎子(こしとらこ)」の、OP曲イントロに合わせて踊る映像が1時間ループするだけという、いわゆる「耐久動画」がYouTubeにて公開されたことで、事前から評判になっていました。
放送が始まると、なんとも理解不能な展開が癖になる、異質な面白さが視聴者を引き付けています。もっとも恐ろしいのは中毒性でしょうか。筆者もボーっとしていると頭の中で「しかのこのこのここしたんたん」や「しーかしーか」がエンドレスに流れてきてしまうことが多々あります。
この「中毒性のある歌」というのも『しかのこ』の特徴でしょうか。ほぼ毎回、流れてくる歌も主題歌「シカ色デイズ」に負けず劣らずの癖になる曲です。第3話の「それゆけ元ヤンこしたん」や、第4話の「家族になろうよ、日野で」など、別な方角で頭に残る曲でした。
このように同じTVアニメながらまったく違う方向性を持った『キン肉マン』と『しかのこ』、昭和の頃ならチャンネル争い間違いなしの人気番組なのですが、録画機器も普及し、配信で観られるこのご時世なら問題ないでしょう。しかし、令和ならではの同時間帯番組に課せられた宿命というものがありました。

