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アニメ『鬼滅の刃』を傑作にしたufotable かつて作られたオリジナル作とは

『鬼滅の刃』の神回でも活かされた撮影技術

『がくえんゆーとぴあまなびストレート!』は、テレビアニメとしては初めて、キャラクターの髪や頬の色に、ブラシペイントやグラデーションによる特殊な処理が行われた作品でもあります。

 雑誌で発表したイラストをそのまま動かしたいという意向によるものだそうですが、この難しい効果を可能にしたのは、当時から定評のあったufotableの撮影技術によるものでしょう。その高い技術力は、アニメ『鬼滅の刃』の神回として国内外で評判を呼んだ第19話「ヒノカミ」でも、存分に活かされています。林原めぐみさんの歌うオープニングテーマとエンディングは、盟友でもあった故・岡崎律子さんによるもの。この歌詞とオープニング映像に深くリンクした秘密も、アニメ本編には隠されています。

 子供っぽくて泣き虫でいつも誰かに頼りがちだった光香も、本気の一生懸命さを見つけて頑張るうちに、少しずつ成長していきます。どんなに頑張っても結果が出ず、みんながあきらめかけた時、涙を流しながらも真っ先に「あきらめたくない」と口にしたのは彼女でした。このまま終わりたくない、何もできないままみんなと離れて卒業したくない、と。

 それでも、卒業の時はやって来ます。それぞれの進む道が違えば、どうあれサヨナラを言わなければなりません。将来のために大きな決断をしていた光香ですが、その時が訪れると、名残惜しさと持ち前の優柔不断から決断を取りやめようとします。そんな彼女に、学美は首を横に振ります。ここでお別れをして、先に進まなきゃだめだ、と。

 なぜなら、青春が終わった時こそ、人生という千里の道における、本当の第一歩だからです。

 最終話「桜色の未来たち」のクライマックスは、いつまでも心に残ります。無駄なせりふを全て省き、あくまでアニメーションとしての動きと映像の完成度で人物のキャラクターの心情を描き切ったのは、ufotableで制作に携わったすべての人々の、クリエイターとしての志の高さによるものでしょう。旅立つ光香に、見送る学美たちは別れの言葉もエールすらも与えません。この名シーンを今の時代に見る人も、当時と同じ感動を覚えるのでしょうか。

 深夜アニメの青春期は、既に終わったと言うべきでしょう。本当のはじまりを迎えてから今まで歩んできたufotableが、日本のアニメーション全体が過渡期を迎えるなかでどんな作品を生み出してくれるのか、これからも目が離せません。

(香椎葉平)

【画像】『鬼滅の刃』のufotableが手掛けたアニメ作品(9枚)

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