【漫画】歩行者地獄!? 台湾の台北市、歩道を歩いているだけで命の危険!「大げさじゃない」
「歩行者地獄」と呼ばれている、台湾の台北市。「歩道をスクーターが通る」など、日本では考えられないような危険な状況に、歩いていると命の危険を感じていた作者でしたが、住み始めて12年目にもなると……。Instagramで公開されたマンガが、「恐ろしすぎる」「これぞ台湾あるあるですね」と話題の作者、「樋口みみ」さんにお話を聞きました。
読者「恐ろしすぎる…」台湾台北市の交通状況
台湾台北市の交通状況について描いたマンガが、Instagramで900以上のいいねを集めて話題となっています。
「信号のない横断歩道を、往来する車をよけながら渡る」「スクーターが歩道を通る」など、その交通状況から「歩行者地獄」と呼ばれている台湾の台北市。作者が台北市にやって来た当初は、歩いていると命の危険を感じることも多々ありました。しかし、住み始めて12年が経った現在では……。読者からは、「恐ろしすぎる……」「台湾に住んでいますが、どれも『あるある』です」「すぐにでも改善してほしい」などの声があがっています。
このマンガを描いたのは、Instagramやブログ「みみ家の台湾的日常。」などでマンガを発表している、ブロガーの「樋口みみ」さんです。2024年6月には、書籍『台湾で食べて育てて覚悟して 気づいたら、暮らし始めて12年め』(竹書房)を出版しています。樋口みみさんに、作品についてのお話を聞きました。
ーー作品に描かれているような交通状況を考えると、台湾の台北市では交通事故が多いのでしょうか?
台北市に限らず、台湾の交通事故率は日本の約5倍といわれています。スクーターの保有率が世界一といわれているので、無理もないかもしれません。
ーー台北市で起きた交通事故のなかで、樋口みみさんにとって衝撃的だったものはありますか?
台北市では赤信号になると車と車の間を歩き、ドライバーにジャスミンの花を売りに来る花売りがいるのですが、その花売りと車との接触事故です。また、交差点ではスクーター専用の一時停止場所が車の停止線より前にあるのですが、そのスクーター専用停車場所に突っ込んでしまった車の事故も衝撃的でした。ほかには、スクーターに親と乗っていたお子さんが、転倒の衝撃で道路に落下してしまった事故なども……。
ただ事故が起きたとき、何人ものドライバーや周りの歩行者がすぐ車道に降りて助けているシーンがとても印象的で、台湾の良さだとも思っています。
ーー作中で紹介されていたこと以外にも、台北市で「これは危険だな」と感じたことはありますか?
歩道にバス停があるのですが、バス停の目の前が自転車専用レーンになっている場所があることです。レーンを横切らないとバスの上下車ができません。バスを降りようとする人がスピードを出した自転車と接触しそうになっているところを何度も見かけています。
ーー台北市の交通状況を改善するには、特にどのようなことが必要だと感じますか?
いまから十数年前に比べると法の改正も進み、少しずつ良くなってきてはいますが、個人的には罰金がまだまだ安い気がします。取り締まりも緩めで、警察も対応が優しいです。また道路でも、3車線だったところが予告なしで急に1車線になる場所が多く、設計自体も変えていく必要があると思います。
しかし、駐車場が新設されたり、乗り捨てできるレンタルスクーターシステムが増えてきたり、歩道のバリアフリー化が進んだりと、私が台湾に来た12年前と比べるととても良くなってきているとは思います。
ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?
「台湾のあるあるですね」と、共感の声をたくさんいただきました。「マンガだから、大げさに描いているのでは?」という声もありましたが、すべてリアルなんです。なかには「本当にこんな感じです」と、台湾人の方からの回答もありました。
ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。
先日、日本人観光客の方が横断歩道で轢(ひ)かれそうになっているところを目撃しました。普段は台湾生活で感じた「あるある」や、日本と違って面白いなと感じたポジティブなことを主にマンガにしているのですが、危険な交通状況も私たちの生活から切り離せない、重要なことだと思ったんです。台湾へ観光に来られる方にも知っていただきたいと思い、今回マンガにしました。
●樋口みみさん 過去のインタビュー
(マグミクス編集部)